2016年12月30日

今年のボツその1 てけてけ!アスミッくんワールド

今月の一本用に文章を書いてみたけどなんか上手くまとまらなかったというか、テンパった文章にしかならなかったので自戒の意を込めて、あと今年の膿を出すためにもここに残しときます。いつものことじゃねえかと言われたらまーそうなんだけどね。ああ救えない。
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DATA
発売 / 開発 :アスミック
登場時期 : 1989
ジャンル : 平安京エイリアン+ドルアーガの塔
機種 : GB


〜名作+名作=迷作?〜
アスミッくんワールドは一部の人にはおなじみ、それ以外の人には全く知られていない、いわば孤高の作品である。GBの初期も初期に発売されておきながら、そのあまりに人を突っぱねるかのような作りに面食らった人も多いのではないかと思われる。実際自分も初めて遊んでみて「こ、これは……」と絶句するほどであった。
ゲーム内容は全33ステージある塔を平安京エイリアンをやりながらドルアーガの塔を上る感じのゲームである。もう少し分かりやすく言うと、地面に埋められた次の階へ行くための鍵をノーヒントで掘り当てる、その間襲い掛かってくる敵を落とし穴を掘り生き埋めにして対処するゲームだ。平安京エイリアンはゲーム黎明期における記録的な傑作の一つであり複数のフォロー作を生んだ。ドルアーガの塔もゲーセン文化を語る上での一つの重要な作品であり記録的なゲームでもあろう。この二つは紛れもなく名作だ。ならばこの二つを上手いこと足し合わせてみたら……?という発想で生まれたかは分からないが、今作はその二つを足し合わせたかのようなゲームである。そして、仕様の違うゲームを足し合わせるのは難しかったのか、何とも言い難い珍妙な出来具合の作品に仕上がってしまった。子供はおろか大人ですら手を焼く、凶悪難度のアクションゲームとして……
しかしそれはあくまでアスミッくんワールドの表面的な部分でしかない。一つのまっとうなゲームとして評価するならアスミッくんワールドはどうしようもないレベルのゲームであるがその実態は正しくない。その理不尽さに耐え抜くことで、アスミッくんワールドに秘められた奥深いゲームデザインを垣間見ることが出来る。なんなら言ってしまおう。今作はGB初期における一つの隠れた傑作だと!

〜リアルタイムに戦略パズル〜
アスミッくんワールドは見た目から受け取れる面白さに欠け、それが故に時にはクソとすら言われることもある悲しきゲームである。そりゃそうだ。主人公であるアスミッくんの挙動は驚くほどに鈍足、穴を掘るスピードも鈍足、更にはカギの場所もノーヒント、こちらの都合を無視して平然と敵は襲い掛かってくる、ボスは超高速起動に加えて圧倒的火力で圧殺。こんなもん理不尽以外の何物でもない。
しかしめげずにプレイを続けることによって見えてくるものがある。今作攻略のキーになるのが「カギの初期配置は固定」という事実である。幸いにしてコンテニューは無限なのでカギの配置さえ覚えていけば攻略の方針が立つ。カギの発見に役立つのがアイテムの存在。埋まっているアイテムの位置を音で教えてくれるレーダーやカギの位置を指し示してくれるコンパスなどを使うことによってカギの位置は特定することが可能。また敵も地面を掘り起こしたりしていて、その時にカギやアイテムを掘り起こしそのままフラフラしていることもある。そいつらを穴に埋めカギを入手するのも一つの解法の手だ。このように「こんなだたっ広いところでカギなんて見つかるわけねーよ!作ったやつは何考えてるんだ!」と思われがちなカギノーヒントなデザインだが、むしろ「あそこにあるカギをどうとるか…?」「あのアイテムを取ってどう探していくか…」といったように戦略性の高いものになっているのだ。惜しむべきはこの点に気付く前に大半の人はブン投げそうな気がすることか……
また、カギを見つける戦略性に気付くとさらなる奥深さに気づくだろう。うねるようなステージ構造になっているのがアスミッくんワールドの特徴の一つではあるのだが、だからこそ先読みで敵を穴に埋めこんだりすることが容易なデザインになっている。穴を掘るのが遅いことは単純にデメリットではあるが、それ故に否が応にも戦略性は高まり高度なリアルタイム戦略パズルゲームをプレイしている気分になる。アイテムの確保、ゴールへ辿りつくまでの経路設計、敵への対処など考えることは非常に多く、我らがアスミッくんもポンコツな性能だがだからこそ恐ろしいほど緻密な解法を有するデザインに昇華されてしまっているのだ!こんなゲーム今まで無かった…
通常コースはこのように奥深いものを秘めていたが、ボス戦はどうか? こちらも一見すれば理不尽なものだろう。しかしこちらもアイテムの位置が固定であることを利用することにより優位に戦うことが可能である。自機のスピードを上げるローラースケートを掘り起こさなければまともに戦えないのは問題とも思えるが、しかしボス戦直後はボスがしばらく待っていてくれるという何とも紳士的な姿勢を見せつけてくれる。この隙にアイテムを確保して敵の攻撃を見切り戦うアツい内容になっている。ボス戦のアツさもかなりのものである。
また、操作体系にしても意外にもかなり考え抜かれたものである。GBというボタンが少ないハード上にて如何にその場方向転換を表現するか?という問いに最初期でありながら極めてスマートに破綻なく解法を導いた操作(穴掘り+十字キー)は意外と凄いと言えるのではないだろうか。細かいところではあるがかなり革新的な操作だ。

〜てけてけなんてもんじゃない音のクオリティ〜
そうは言っても理不尽に思われるような要素を持っていることは確かなことであり、自分自身もありもしない面白さを妄信しているだけかもしれない。しかし!こと音楽に関していえば声を大にしてオススメであると言おう! GB最初期でありながらハード特性を知り尽くしてるんじゃないか?とすら思えるそのてけてけした明るい曲調! 捨て曲が無い全曲ハイクオリティ仕様! 理不尽なゲーム内容に対して釣り合ってないとすら思えるその音楽性の高さはガチだ。音楽の良さは本物ということの証明として、知名度がアレなゲームの割になんとサントラまで登場してしまっている。アスミッくんワールドの音楽はCD化されるほど良いものということが当時から理解されていた、と言ってもいいだろう。ちなみにオススメはエリア3(ステージ17〜23)とボス戦だ。エンディング曲も良し。この音楽のために買う価値のあるゲームであることは確かだ。幸いにして多くのゲーマーがこの面白さに気づかなかったのか中古屋に山積みされていることもある。君も今すぐにゲットだ! ついでにゲーム内容にもハマってくれるとこちらとしても幸いである(それでいいのか?

posted by グレイ at 00:00| Comment(0) | 今月の一本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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