2017年01月31日

今月の一本 メタルスラッグ3

今月も終わろうとしている中、今月の一本はこいつでございやす。形だけでもとりあえずノーコンテニュークリア出来て良かったよホント。中身の方はいつものことながらなーんか同じことしか言って無いような気もするけど……。破壊だの爆破だの。他に語彙は無いのかよって感じだけど、まあいいや。いや良くないが。
そんなグダ話はさておいて、天下の任天堂が今年送り出す新ハード「ニンテンドースイッチ」にメタルスラッグ3も完全移植が登場しちゃいます。気が向いた方は買ってみてはいかがでしょうカ。
_____

DATA
発売 / 開発 :SNK
登場時期 : 2000(AC:他機種に関しては割愛)
ジャンル : 2DアクションSTG
機種 : AC(MVS)/NEOGEO/PS2/PS3/PSVITA/PS4/Xbox/PSP(メタスラコンプリート)/Wii(VC)/XB360(XBLA)/iOS/Android/Steam


~マイナー界のメジャー~
メタルスラッグシリーズはSNKを代表する2DアクションSTG。非常に名の知れたゲームであり、ゲーマーないしゲーオタなら名前やその噂を聞いたことはあるレベルの作品である。緻密なドット絵、小気味良い操作性、撃ちまくりの爽快感などなどアクションの楽しさが詰め込まれたゲームだ。現在は2Dアクションの新作こそ出ていないものの過去作が各ハードで気軽にプレイしやすい環境にある、などかなり恵まれたシリーズでもあったりする。
今回はシリーズ最高傑作とも言われる3について色々アレコレ話してみよう。メタルスラッグ3はメタスラシリーズの4作品目(初代2Xと出ている)であり、初代2から続く物語のある種完結編である(エンディングに銃を捨てる描写があるし)。今作を最後にメタスラを送り出したSNKはSNKプレイモアへと変わった。キャッチコピーは「史上最大の激闘」。古典的な射撃系2Dアクションゲームを、狂気を感じるほどのドット絵と徹底したプレイヤーへの配慮でアクションSTGの最高峰へと昇華させたその見事な手法は今見てもなお色あせることがない。

~火力第一主義~
メタルスラッグ3の長所といえばとにもかくにもまず火力。特殊武器を手に入れた瞬間からトリガーハッピージェノサイドモードに移行し敵を思うがままに爆殺!、スラッグ(乗り物)に乗った瞬間に無限の力を得たかのように錯覚し「オラオラー!!どいつもこいつも吹っ飛べや―!!」とばかりにバルカンを乱射し雑魚兵を蹴散らしていく!これこそが今作の最大の魅力である。大破壊大暴走大殺戮の爽快感では今作の右に出るものなどほとんどいない。そしてこの火力を演出するための表現もまた凄い。メタスラといえば緻密でぬるぬると動くドット絵が特徴だがこれが火力に関わっている。爆発のド派手さも魅力的だがそれ以上に凄いのは死に際のドット絵だ。雑魚敵のモーデン兵を例にとっても、血反吐を吐いたり血飛沫が飛んだりバラバラに砕け散ったり黒こげになったり火が付いたままもだえ苦しんだりと死に際のパターンが偏執的なまでに極めて多い。生物系の敵も液体をぶちまけながら派手に飛散していくなどグロテスクで悲惨。これらの死に際パターンが途切れることなく緻密に動きまわるのだから爽快感を演出しないわけがない。画面の密度が圧倒的に高く、一秒一秒破壊の楽しさを味わえるとんでもないものだ。
また火力が高いのは自分だけではない。敵もまた高火力、つまりは死に直結する攻撃でこちらを殺しにかかってくる。メタスラシリーズは一撃即死のゲームなので特有のシビアさがあるが、それゆえに敵の攻撃の一つ一つが恐怖に感じられる。そして敵の火力を演出するのが自機であるプレイヤーキャラの死に際ドット絵である。ある種上で挙げたモーデン兵よりも悲惨な死に方を遂げ、プレイ中は思わず「うわぁああぁ!!」なんていう情けない声まで挙げてしまうほどに凄まじい。撃たれたりして血飛沫飛ばしたりするのはもちろんのこと、ゾンビになって腐って死ぬ、食人植物に食われて死ぬ、植物に寄生されわさわさとしモルボルのようになって死ぬ、岩に潰される、焼き焦げる、腹が弾け飛ぶ、消化液喰らって溶かされるなどもはや何でもあり。死に際の悲鳴もこの火力の演出に一役買っている。
つまり今作は火力VS火力といった趣の作品である。プレイヤーはでたらめに強いが敵もまたでたらめに強く爆発に次ぐ爆発、破壊に次ぐ破壊のオンパレードでまさにお祭り騒ぎ。そしてこのお祭り感を出しているのが巧みな特殊武器の配置やスラッグの配置。一見敵の火力が凄まじく「こんなところどうすればいいんだ…」というところには必ずと言っていいほど特殊武器やスラッグが配置されている。そのため難しそうに見えるが実際そこまで難しくは無く、破壊の爽快感を味わえるという構図になっているのだ。特殊武器は追尾弾や火炎放射器、貫通レーザーガンやショットガンなど見た目からも分かりやすい強さを誇り、ハンドガンではちょっと硬い敵も一発で爆殺が可能。スラッグもタイトルになるだけあって極めて強く、戦車にのって撃ちまくり、ラクダに乗って砂漠で大暴れ、戦闘機に乗り込み高速飛行の中ぶち壊しまくりと触れて楽しい見て楽しいを演出している。非常に丁寧に作られた作品だ。まさにキャッチコピーの「史上最大の激闘」に恥じない、どころか数々のゲームの中でも最高峰の「激闘」を味わえる作品である。

~ドラマチック大破壊アクション~
メタスラシリーズといえば先にも述べたが鬼のように緻密なドット絵。それが生き生きと動きアニメーションを取るのが見どころの一つであるが、それによるドラマ性の高さもまた今作の魅力だろう。メタスラシリーズでは物語を文字を使わず、絵で勝負している作品。キャラクターのドット絵の演技だけで伝わるそれは独特の味と趣のあるもの。そしてその絵が2Dの極致とも言えるものなのだから物語もまた魅力的なものだ。3はこの表現が極めて上手くプレイヤーがグイグイと引き込まれるようなものになっている。2面開幕の研究員が逃げ出すシーンを見せておいての新敵、ゾンビの襲来などから始まりステージ中の物語表現は見どころがたくさん。談笑しているモーデン兵に心和ませるのもまた一興。
そしてこのドラマ性を最大限に見せつけたのが最終ミッションであるステージ5。シリーズ初の空中戦であり強制スクロールの中繰り広げられる激闘を潜り抜け、機関銃を駆使してボスとの対決に勝利した!激しい死闘は終わりを告げた…と思いきや!、ボスはなんと火星人(マーズピープル)だった!?そしてモーデンと今まで操作していたプレイヤーをかっさらい宇宙へ。そしてさらわれたプレイヤーを助けるべく現れた仲間が操作キャラとなり、モーデン兵と協力してマーズピープルを倒しにロケットで宇宙へ……と凄まじくアツいものになっている。特にプレイ中に主人公交代なんて前代未聞だ。それすらも、高度な物語演出へと昇華されてしまっている。すげえ。凄すぎる。
宇宙へ飛び立った後も怒涛の展開は止まることは無い。敵のUFO内に潜入して火星人との大激闘、モーデン元帥の救出、そして敵の親玉を撃破してもなお戦いは終わらない。今度はクローンが押し寄せる。まさかの倒したはずの5面中ボス(アレン軍曹)も駆けつけ大激戦。培養槽に囚われた仲間を救いだし、後ろから追いかけてくるゾンビクローンから逃げつつUFOから脱出した先に待つ圧倒的な何か……。アクションでは物語性はそこまで重要視されないものだが、メタスラ3はこのようにドラマ面も非常に楽しめる。「史上最大の激闘」とは単に爆撃描写だけでなくこういった物語面から見てもそういえるのだ。

~高難易度は幻想?実は意外と難しくない~
さて、今まではある種エンタテイメント的な側面からメタスラ3を捉えてその魅力を見てきた。ではゲーム的な側面はどうか?と言う話になるが、メタスラは初代の時点で動きの小気味良さ、つまりはアクションの面白さに関しては完成していたわけである。そして3でもその面白さに関してはその完成度の高い状態を維持している。更に新たに加わったルート分岐によりそこから深みを出してきたのである。ルート分岐により単に1周クリアするだけにとどまらない奥深さを加え、難易度の高低を考慮して攻略ルートを決めるなど初心者から上級者まで飽きさせることのないものに仕上げたのである。ルート分岐は視覚的な変化もアリアリで普段と違うルートを通れば新鮮な気分になる。描かれる世界観も、例えば4面を例にとると腐海ルートのように蛆虫と王蟲がわんさか出てくるグロテスクなものからあまりにも重火器超火力が凄い旧日本軍ルート、押し寄せる食人植物を焼き殺しつつ進む山登りルート、ミイラが次々と出てくるその名もミイラルート、といった具合にバラエティ豊かで飽きさせることは無い。ルート分岐を加えたことでメタスラは更に完成度を高めたのだ。
ゲーム的な側面といえば難易度。メタスラシリーズは一発即死なので特有のシビアさがあるのは先に述べた通り。メタスラ3は適切な難易度調整を行っているが、流石にシリーズを3作(実際には4作)重ねてしまったので難易度の方もかなり上がっている。そのためアドリブでどうこうなる難易度では無くなってしまっていることは確かだ。しかししっかりとメタスラ3に向き合えば徹底して難易度緩和措置があらゆるところに設けられていることに気が付くだろう。難所にはスラッグが置かれているし、特殊武器は途中で途切れて火力を失うことの無いような適切な配慮がなされている。ボスの攻撃も前兆がド派手なのでパターン化を行いやすい。パターンを外さなければ生存は保証されるのでそこまでべらぼうに高い難易度なわけではないのだ。まあ、運が悪いと負けるしかない悪の化身「ソル・デ・ロカ」なんてのもいるが、ロカ様も黄弾を除けば基本的にこちらを死に至らしめる攻撃はしてこない。こちらの攻撃力に関しても捕虜が常時出るので困ることも無い。ノーミスを考えるなら地獄だが、3機の間にクリアすることだけを考えるのならそこまでロカ様も強いわけではないのだ。こういった徹底した配慮のおかげでパターンの中で大暴れ出来る許容の広さが存在している。

~職人魂万歳!!~
長々とメタスラ3について語ってみたが、メタスラの面白さはこうした作り込みの細かさを体感していくところにある。それは、見た瞬間に分かるほどの緻密に書き込まれたドット絵であったり、そのドット絵で雑魚敵から超巨大なボスまでもが生き生きと動く描写であったり、そのドット絵で逐一過激に描写される大破壊大暴走大殺戮の爽快感であったり、コミカルでありながらグロテスクで惨たらしい死に際であったり、適切に置かれた武器配置であったり、ルート分岐による攻略の奥深さであったり、怒涛の勢いで展開される物語であったり、ステージの至る所に隠された稼ぎ要素であったり、放置している時にプレイヤーキャラが取る見ていて和む行動であったり、ドラマチックな物語を彩り破壊の楽しさを更に底上げする音楽とSEであったりと、とにかく膨大なほどの要素がメタスラ3には詰め込まれている。まさしく職人の手によって手掛けられた代物だ。単にエンディング1回見て終わり、で満足してしまうゲームでは決してない。遊ぶたびに何らかの発見があるゲームだ。その職人魂を発見していくごとに更にメタスラへの思いを強め、作品に陶酔していく。メタスラ3はそんな職人魂全開の作品である。こうまで細部まで徹底的に作り込まれたゲームはそうそうない。決して色あせることのない、2DアクションSTGの一つの到達点がここにある。既にプレイ済みの人も、難易度の高さに投げ出してしまった人も、あるいはメタスラ未プレイの人もプレイしてみて、ぜひともその圧倒的なまでの作り込みの凄まじさを体感してもらいたい。そこで味わえるのは、決して他のゲームでは代用出来ることのない純度の高いものなのだから。

posted by グレイ at 00:00| Comment(0) | 今月の一本 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください