2017年11月30日

今月の一本 ルクスペイン

今月はこれです。今回は微妙に感想よりというか感想込みなんで全体的にとっちらかった文章になってまして申し訳ないです(いつも通りといえばそうだけど)。難点こそあれどDSのADVの中では押さえておいて損は無い、中々の秀作と思いますにょ。人の思念をこうも中心に取り上げたタイトルはあんまり無く思えて、それでいて重いけど重くなりすぎない絶妙な物語は結構ナイスな出来です。
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DATA
発売 / 開発 :マーベラスエンターテイメント / キラウェア
登場時期 : 2008
ジャンル : 伝奇ジュブナイルアクションADV
機種 : DS



ルクスペインである。今作は言わずと知れていない、かといってマイナーすぎるわけでもないという何とも微妙な立ち位置の知名度の作品である。かくいう自分もどこかで「何かルクスペインというDSのADVは結構面白かった」という感想を見た気がするという雑な記憶と「音楽:伊藤賢治」の名に釣られて購入した身であり、事前情報はほとんどない状態であった。開発を務めたキラウェアに関しても今作で初めて知り、DCのカルトRPG、デスピリアスタッフが関わっていたのかと軽く驚いた限りである。
さて、今作がなぜ全く知られていないわけではないがあまり目立たない存在なのかと言うと、一つには残念ながら単純にあまり売れなかったというのがあるのだろう。もう一つには、実はこちらの方が重要なのだが、面白さが分かってくるのが遅めであること、そして面白くなってきたと同時にゲームシステムに不満を抱きやすくもなる調整にある。シナリオが上手いこと回り始めるまでに時間を要する作りであり、システム面では痒い所にイマイチ手が届いていない。しかし、シナリオが動き出した時の面白さ、そして独自の演出とDSならではの表現、絶妙な空気感は非常に味がある。
今作は手放しで絶賛出来るゲームでは無いことは確かだ。あと1ポイントどこか上手くいっていれば…と思ってしまう惜しいゲームでもあるだろう。しかし、難点こそあれど一見の価値があるゲームである。

~伝奇でジュブナイルだ!とっつきはよろしいわけではない~
今作はDSの機能を上手いこと落とし込んだ「伝奇ジュブナイルアクティブADV」である。ジャンルからして半分くらいよく分からないが、心で感じろ。伝奇でジュブナイルでアクティブなADVだ。もう少しいうならば、アドベンチャーパートをメインに進行し要所要所でタッチペンを使用したアクションが入るというものだ。主人公は他人の思念を削り覗き見ることが出来る能力者であり、タッチペンを使ってキャラクターの心を削り思念を見て、その思念に巣食う怪物を倒していき、舞台となる「如月市」にて事件の真相を追う、というものである。ジュブナイルを謳うだけあり今作には学園物の要素が存在しており学園でのキャラとのやり取りがあったりもする。学園生活を送りつつ、事件を追うというのが主な流れだ。
いきなりだが今作の第一印象は悪い!始めた当初の何も知らないプレイヤーに対して配慮もせずにすっ飛んでいくシナリオがまず襲い掛かる。固有名詞のオンパレードや(一応データベース的な場所で用語確認は可能)、いきなりのキャラ大量登場に加えて駆け足気味の自己紹介と「何だ!」というより「なにこれ?大丈夫か?」と思う印象の悪さである。
そしてゲームを進めていくと今度はシステム面での難にぶつかることになる。セーブは3つのみ、説明書を読まなければセーブできる箇所は章が終わったときのみと勘違いしてしまうような構造、バックログ無し、オートスキップ無しとADVとして「これでいいのか?」と思わざるを得ない。確かに真剣にシナリオ読んでほしいという配慮にも感じられるといえばそうなのだが……。
さらに戦闘パートがどうにもかったるく思えてしまう出来。序盤は物珍しさからある程度楽しくプレイできるが、戦闘の機会が増える終盤は面倒に思えてしまう。戦闘はタッチペンを酷使するので画面にもイマイチ優しくないのも気になる人は気になるか。
とどめに早い段階できっちりフラグを立てないとゲームオーバー一直線になり、最悪の場合詰みかねない箇所が存在している。この箇所以外は詰まるところも特に存在していないため、余計にこの箇所が苦しく思えてしまう。
全体的にプレイヤーへの配慮が欠けており、キャラの個性が分かってきてシナリオにのめり込めるまではかなり苦しいゲームにも思えてしまうのが難だ。特に導入~序盤に関してはかなりやらかしている印象があり(この箇所の最後の方で先のゲームオーバーの問題が出てくる)この場面で投げてしまう人もいるかもしれないし、この場面ではその面白さがまだ秘められた状態なのでどうにも分かりにくい点もある。ここさえもう少しどうにかなっていたら…と思って止まない。

~ルクスペインの魅力は物語だ!~
ここまでは主に批判的なことを書いてきたが、このゲームの魅力を挙げるならば、ストーリー、キャラクター、演出に尽きるだろう。
まずはストーリー。人間の精神に寄生し負の感情を増幅させる「サイレント」、そのサイレントに対抗する組織「フォート」に所属する主人公西条アツキは、サイレント感染による集団自殺事件のオリジナルサイレントが如月市にいることが判明しそこへ転校生として潜入捜査行うことになる。発生する怪事件、様々な人との出会い、時には永遠の別れ、そして人の心、精神を削り覗き垣間見て、この街では何が起こっているのか?事件の真相は?…ということを追うのが基本的なシナリオの流れである。サイレントは負の感情を増幅させながら精神を喰らっていくためサイレントに感染した者の思念の内容は基本的に暗く重い。「殺す」「死」などの単語が平然と飛び交い、それでいて言葉の表現を変えながら何度も登場する。一見普通そうに見える人やどこにでも居そうな人が次第に壊れていく、あるいは凄まじい狂気を隠し持っているということがこれでもかと言うほどに表現されている。DSらしくない少々ダークな雰囲気の作品と言えるだろう。ただジュブナイルなだけあり重すぎることはなく絶妙なバランスを保っている。
シナリオが中盤に入るまでは面白みが見えにくいが、中盤に入ってしまえばこれまでの描写の積み重ねが生かされてグイグイとそのストーリーも引き込まれる。序盤はまだキャラのことを分かっていないので思念を読み取っても「へー」程度にしか思わないのだが、どんなキャラかが分かってきたときには思念を読んでいく面白さは相当のものでなおかつ今作独自のもの。また、思念に巣食うサイレントの影響やそれ以外の要因(単純に人間関係とか)により外見上は普通でも思念に狂気や混乱、不安などが入り混じっているのが面白く、そして少し重い。日常が少しずつ壊れていくという描写も良く、思いもよらぬ人物の死や数々の謎の出現もあり、シナリオが回り始めたらもう止まらない。破壊力は凄まじいものだ。淡々としている部分はあることにはあるが、その先が気になり読み進めてしまう面白さが今作には確かにある。
次にキャラクターが非常に良い。各キャラクターに与えられた役割に違和感を覚えることはなくすんなりと頭の中に入ってくる。主人公が所属するサイレントの排除を目的とする機関「フォート」のメンバーと主人公が所属することになる「如月学園」のクラスメイト、同じく特殊能力を持った人々、教師たちといった主要キャラに加えてネカフェの店員から市民会館のおばはん、ゲーセンの店員などの如月市に存在するキャラと登場人物は極めて多いが誰もが魅力的であり中には強烈なインパクトを残す者もいる。彼らの心の奥底にある悩みや狂気の思念を見てそれを解決していくことが面白くある。日常の中に潜むサイレントの影、非日常の部分の書き分けや見せ方が非常に上手く、演出の良さもあり自然にキャラに愛着を持つだろう。だからこそ死亡フラグが立たんとしているキャラに対して「止めてくれー!」だの、死んでしまったキャラに対して「ほんとかよ!?ウソだろ……」と感情移入しストーリーに没頭してしまう。キャラ描写に時間をかけすぎなきらいこそ確かにあるものの中盤からの盛り上がりは時間をかけただけの結果が確かに出ていると思うほどだ。
また主人公のゲームにおける立ち位置も結構上手い。作中で個として存在していながら同時にプレイヤーとシンクロしてポジションを確立させているのが面白い。プレイヤーは主人公の目を通して人物と出会っていくのだが、主人公が感じたことがプレイヤーとも重なるようなものになっている。主人公のキャラとしてはクールでぼそぼそとしゃべり妙に気恥ずかしくなるような言い回しばかりするクセあり目なキャラになっているにも関わらず、ストーリー上ではプレイヤーは驚くほどに主人公とシンクロするようになっているのだ。そのためキャラのセリフがプレイヤーにも突き刺さるようになっている。プレイヤーとプレイヤーが操作する主人公との間に差が生じてしまうのがゲームのストーリーでのよくある問題点だが、今作はその辺のところを中々上手く切り抜けた作品だと言える(そうはいってもやはりクセの強いキャラだし喋ったり喋らなかったりとするので気になる人は気になるかもしれないが
そして演出。この演出を見るためだけに今作を買うべき価値があると断言しよう。今作はDSならではの作品であるのだが、なぜそうなのかと言えばタッチペンを使っての思念の削り取りや戦闘というアクションの側面もあるが、2画面であることが非常に効果的に生かされて演出になっていることにあるだろう。今作の下画面は通常のADVらしい画面だが、上画面には精神世界とも言うべきものが表示されており下画面に表示されている絵がモノトーン調の色合いでもやもやっと表示されている。そして主人公は思念が見れる能力者。選択肢を選んだ時にキャラの感情のようなものが上画面にもやもやっと現れるのだ。怒りの思念や恐れの思念だけでなく喜びの思念なんかも上がったり、時には下がったりしてくる。設定を反映した上手い作りだ。
そして真に必見なのが実際に思念を削り取りその中身を見る場面である。画面中を文字が浮かんでは消え、バラバラになり、画面中を文字で埋め尽くし、文字が飛び交うような様はまさに圧巻。単純に映像面だけを見ても非常にカッコよく、それでいて重い思念は本当に怖い。これを見たいがために能力を使ってしまうこと間違いない。こればかりはゲームで見なければその凄みは分からない。また画像で見てもその凄さは分からないだろう。ゲームならではの演出だ。こうした演出が効果的に働きストーリーの没頭感をこれでもかと高めてくれる。
また演出を支えるのが音楽の良さ。イトケンさんに加えて鈴木康行さん(ソルダム、怒りの要塞などが有名か)も作曲を担当。温かみを感じさせる日常系の楽曲からサイコサスペンスにピッタリなシリアスな楽曲まで様々な楽曲がそろっておりストーリーと演出をしっかりと彩ってくれている。特に思念を覗き見ている際に流れるBGMはどれも非常に印象的であり文字が飛び交う演出をさらに強めてくれる。
確かに看破出来ない問題点は多く課題がある作品であるところは否定しない。しかしその独自の演出と丁寧なキャラクター描写、それらを存分に活かしたストーリーは一見の価値がある。DSならではのADVがここにある、と言わんばかりのルクスペイン、興味と機会があったら是非ともプレイしていただきたいものである。


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2017年10月31日

今月の一本 中毒パズルレベルス+

今月はこれです。ホントは今日の午前0時に上げるつもりだったんです。そのつもりで計画はしていたんです。素案は出来ていたんです。ただ実行に移す際に「ちょっとレベルスやっとこう」とプレイして時間を溶かし、んーやることないしちょっと起動しよう思い時間を溶かし、やっべレポートが終わらん現実逃避にちょっとやっておこうと起動して時間を溶かし……なんてことを繰り返してたらこんな有様に……。悪気はないんです。
とりあえず教訓として、締め切り間近のものがある場合このゲームを起動すると取り返しのつかないことになりかねんと書いておきましょうか……。ゲームの方はきっちり面白いのでプレイしましょう。
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DATA
発売 / 開発 :flow
登場時期 : 2017
ジャンル : パズル
機種 : Switch


~「中毒」って怖いよね~
デジタル大辞泉の解説
ちゅう‐どく【中毒】
[名](スル)
1 生体内に入った薬物・毒物や生体内の代謝産物によって病態や機能障害が生じること。経過から慢性と急性とに分けられる。どくあたり。「食い合わせで中毒する」「ガス中毒」
2 置かれた状況になれて特に変わったことだとは感じなくなること。また、あるものへの依存が強く、ちょっとでも不足すると非常に強い飢餓感をもつこと。「活字中毒」「仕事中毒」
出典 小学館/デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
コトバンクより引用


…しばしば「このゲームは中毒性がある」という褒め言葉なりを見かけたり、あるいは自分も使ったりするけれども元の意味を考えると結構怖い言葉である。止めたいのに止められない、それがなければどうにもならないのが依存だとすると、さながら中毒はその一歩手前というところか。そして事が進行すれば機能障害を起こしてしまう。ヒイィィィ……。まあ、何にしても適切が一番というわけだ。適度な中毒性はゲームの楽しさをさらに高めてくれる。
しかしここに恐るべきゲームがスイッチに現れた。名前からして中毒と謳っている「中毒パズルレベルス+」である。元々はスマホのアプリゲームだったが、バランスの再調整などが行われパワーアップしスイッチに移植されたものである。
正直始める前は、「中毒と言ってもたかが知れたものだろう」と思っていた。いたんだよ。いたんです。はい。しかし実際プレイしてみるとあれよあれよと時間を消費し遂にはプレイしてないときですら「あれとあれを合わせてレベルアップさせんといかんなー」だとぶつぶつ呟いたり青と黄色のものを見かけたら足し合わせなきゃと思うようにまで脳を破壊された状態に陥っていた。重症だ。中毒パズルレベルス+、その名に恥じない極めて中毒性が高い一本である。

~足してレベルアップするのがレベルスだ!~
基本ルールは5×5のフィールドに敷き詰められたパネルをカチャカチャ動かしてハイスコアなりを狙うというもの。パネルは3色あり青が味方、黄色がお宝(スコアアイテム)、赤が敵を表している。
各パネルにはレベルが存在しそのレベルを表す数値が書かれている。青と黄色のパネルは動かすことができるが赤パネルは移動不可能。青、黄色パネルは同じ色同士かつ同じ数字同士を重ねることでレベルアップする。例えば1が書かれた黄色パネル同士を重ねれば2の黄色パネルが、2と2の青パネルを重ねれば3の青パネルが、3と3で4に…といった具合だ。青パネルは自分の数値以下の黄色パネルを消してスコアを得ること、邪魔な赤パネルを消すことができる。これでレベルアップを繰り返しつつ邪魔な赤パネルを破壊し黄色パネルを獲得してスコアを伸ばし、一枚も動かせなくなるまで試行錯誤してハイスコアを狙うといったゲームである。
こうして文字にすると意外と分かりにくいかもしれないが、初プレイの時に表示されるチュートリアルを見れば一発で分かるシンプルなルールだ。
今作はその場の判断が重要になるパズル(パネポンとか)では無く思考型パズルに分類される。時間は無制限なので自分の気が済むまで熟考し、次に登場するパネルを確認しつつ、どれをレベルアップさせるか…?どの赤パネルを破壊するか…?と考えるのがゲームの流れになるのだが、これが極めて面白い。
レベルを上げると有利に働く一方でそれ相応のリスクを背負うのがミソであり、青パネルのレベルが5や6辺りになってくると低レベルの青パネルが邪魔になりキリキリ舞いするバランスになっている。しかし、レベルを上げなければ今度はどんどん強くなっていく赤パネルを壊すことができない。レベルを上げたい……でも低レベルの味方が邪魔に……でも上げないと……という脳内葛藤が悩ましくも楽しい。そして悩めば悩むほど時間が溶けていく。時間泥棒っぷりは半端なものではない。
更にハイスコアを目指すとこのバランスはまた違った一面を見せる。黄色パネルのレベルを上げていくと当然ながらそれを上回るレベルの青パネルが必要になる。低レベルの青パネルは更に邪魔になるし、黄色パネルのレベルばかり上げていくと今度は高レベルの黄色パネル自体が最強の敵となる。しかし、この圧力に屈したら低スコアしか獲得できないチキン野郎になってしまう。今作のその巧みなバランスは水面器に顔をつけて我慢勝負をしているようだ。その圧力に屈して顔を上げるか、そのまま勝負を続け不慮の事故で水没死を遂げてしまうか……。思考力だけでなく精神の強さまでも要求されるのだ。
しかし、だからこそ面白い。ゲーム性の一つである「リスク・リターン性」が極めて高く、自らを死の淵に近づけつつハイスコアを狙う駆け引きのアツさはパズルゲームはおろか数あるゲームの中でもピカイチだ。レベルを上げれば上げるほどに自らが追い込まれ敵だけでなく味方すら頼れなくなっていくが、どんどんとスコア倍率が上がっていく黄色パネルがちらつき「あと1レベル…あと一手…」とさらに死地に赴かせる。まさに悪魔のようなゲームだ。そしてその中毒性は悪魔そのものだ。
また、ハイスコアをバリバリ狙うだけでは無く青パネルのレベルを上げてたまった赤パネルを次々と粉砕していく爽快感が気軽に味わえるというのもポイントの一つ。シビアな駆け引きもあり、単純明快な気持ちよさの面もある。シンプルながら意外と多様な面白さを持ったパズルゲームなのだ。ハイスコアを目指すもよし、だらだら遊ぶもよし、意外と多様な遊び方に対応している作品である。
またバランス面だけでなくロードが皆無でタイトル画面すら存在せず、起動したらすぐさまパズルが始まるのも凄いところ。特にゲームが始まるまでの短さは全てのゲームの中でも12を争うほどではないだろうか。これが幸いしてより中毒性を増している。思いついたらパッと始められてカカッとアツい。そしてみるみるうちに溶けていく時間。ゲームが始まるまでのかったるさが存在せず、腰を据えてやったりあるいは時間つぶしにやったり、いつでもどこでもプレイできるスイッチに適した仕様だ。
細かいところではレベルを上げていくとそのたび少しずつ変わっていく音楽の良さ(これも中毒性高し)、レベルを上げたときの無駄に派手な効果音も魅力の一つ。序盤は普通の効果音なのだがレベルが6や7辺りになってくるとレベルを上げるたびに無駄に壮大な音が鳴り響くようになる。またこの際HD振動でレベルアップの感触が手元に伝わるのが面白いところ。後半はレベルを上げるだけでも一苦労なのでそれに見合っただけの結果がこうも分かりやすく出力されると更にレベルを上げたくなってしまう。それが命取りになると分かりつつも……
一方で凄く面白くて楽しいけれどどうにも地味という印象は否めない。特殊アイテムの類は一度のみ赤パネルを全て黄色パネルに変化させるサンダーのみであり、それ以外の状況を激変させたりするアクセントとなるアイテムは存在せず頼れるのは己の頭脳のみというストイックな内容。ゲーム自体の駆け引きは極めて熱く奥が深いものなのだがマジになってスコアを追い続けるとかなり疲れてしまうことも。絵が非常にシンプルなこともあり派手さに欠ける印象を持つ。誤解を恐れずに言えば、中毒パズルレベルス+は少し飽きやすいゲームになっているとも思える。
じゃあ飽きやすいからダメなのかというと、そんなことはまるでない。むしろその逆で今作は飽きられることを恐れていない。良く出来たパズル、アクション、シューティングなどはふとした時に引っ張り出されカカッと瞬間で熱くなれるものが多く結果的に何度も遊ばれる傑作になったりすることも多い。レベルス+は極限までゲームを始めるまでの障壁を取り除き、それでいてその時は忘れていても動かせばすぐに思い出すシンプルなルール、そして短い時間で熱くなり頭を悩ませる時間泥棒っぷりで、すぐにまたハマり中毒状態に陥ることの出来る作品だと言えよう。
スイッチに一本忍ばせておけば、ゲームライフに彩を添えてくれること間違いなし。しかしその中毒性の高さは睡眠時間が削られたりするだけでなく風呂上がりにまったりとやっていたら湯冷めしたりほかのゲームの進行に甚大な被害が出るほど。そんなわけでほんのりとお勧めしたい傑作パズルゲームだ。くれぐれもやりすぎにはご注意を……


posted by グレイ at 20:25| Comment(0) | 今月の一本 | 更新情報をチェックする

2017年09月30日

今月の一本 ハームフルパーク

今月はこれです。どうでもいいけど2017年9月15日はハームフルパーク独立宣言日みたいですわよ。遠い未来に思えた2017年が、もうそこに来ている…というか過ぎ去っているのだなあと思ったり。持ってない人はアーカイブス版を2017年記念に一本どうっすか。来年はエスプレイドの年でオノレーイカシテカエサン!みたいなことが起こりそうですな!
なんか話が大幅にそれたけどポップでキュートなコミカルSTGというのは意外と少ない気がするんで是非とも。初心者から上級者まで飽きさせない名作だと思いますよ。
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DATA
発売 / 開発 :スカイ・シンク・システム
登場時期 : 1997
ジャンル : 横スクロールシューティング
機種 : PS
今回はアーカイブス版をプレイ


~プレミアには理由がある~
突然だが皆さんはバーチャルコンソールやゲームアーカイブスはどういった魅力があるとお考えだろうか? 最新機種で懐かしのゲームが遊べる?ソフトのROM交換や端子フーフー、押し入れからハード引っ張ってこなくても手元で遊べる? そういった面も大いにあると思うが、ここではあえて「プレミアが付いたソフトを安く買える」と言ってみよう。世の中不思議なもので人によって価値観が違うにも関わらず、いやだからこそ、ゲームソフト1本に何万という価格が付いたりするものである。生産数が少ないゲームはもとより、出来がよくプレイヤーも手放さない中古に出回らないゲームにもプレミアが付きやすい。中古ですら高値安定な作品を600円やそこらで買えてしまう。これもまたバーチャルコンソールやゲームアーカイブスの魅力だろう。
ハームフルパークはPS界の泣く子も黙り裸足で逃げ出すプレミアソフトの一つであり貧乏人には手も出ないプレミア番長である。Amazonや秋葉原のゲームショップのショーケースに飾られている今作の値段を見るだけで乾いた笑いが出るほどのプレミア大明神である。そんな作品がゲームアーカイブスで配信されているなら、そりゃもう買うしかないっしょ! という感じだろう。しかし世の中には理由もわからぬままプレミア化したゲームもある(例:LSDとか)。そもそもプレミア付いているから絶対面白い! という保証はない。はたしてハームフルパークもそんなゲームなんだろうか……
……と思いつつもプレイしてみたところ、そんなことを一瞬でも思った自分が恥ずかしくなるほどの素敵ゲームであった。なんならPSで出た全STGの中でも屈指の出来だと断言していい。今作がプレミア化した最大の理由は、今作があまりにも面白すぎたからだ!

~ハートフルSTG~
ルールは単純明快、ガンガン撃ってバリバリ進むSTGである。4つの武器の使いこなし、オート連射のショットに緊急回避のボム、アイテムとってパワーアップ、スコアアイテムを取ってガンガン稼ぐ、オーソドックスなゲームである。システム面で目新しさは特にない、しかし無駄が一切ない完成されたものであるので誰でもすぐにゲームになじむことができるだろう。
プレイしてまず目に付くのが丁寧に書き込まれたグラフィック。一目見て「あっ綺麗だ!」と人を引き付けるような細部まで書き込まれたドット絵が素晴らしい。特に色使いがよく鮮やかで、しかしやさしいものになっていて絵に惹きがある。そして書き込まれた背景に負けることなく書き込まれたキャラクターやギミックも素晴らしい。そして非常によく動きその動きも飽きさせない。
今作は遊園地を舞台にしたコミカルSTGであり、丁寧に書き込まれたグラフィックもあり非常に楽しく華やかな空気感がゲーム内に流れている。キャラクターは可愛らしくキュートなデザインであり、主人公の二人も姉妹ということでゲームの華やかさの演出に貢献している。どうもSTGというジャンルは緊迫感があるというか、こういったコミカルでポップなSTGというのは意外と少ない印象があるが、今作はコミカルSTGとしては申し分ない楽しい演出に成功した作品だろう。
またストーリーも見所。お菓子と、恋と、遊園地。幸せいっぱい夢いっぱいの大人気遊園地「ハートフルパーク」が悪の科学者ドクターテキーラの手により「ハームフルパーク」へと大改造、さらにテキーラは50万人を人質に取ってしまってなんかもうヤバいぜ! 的な感じなので人質助けるために主人公のレスカとレモネがバイクに乗って要塞基地と化した「ハームフルパーク」で壮絶バトル! といったもので大まかな路線は笑いありのギャグ主体のそれであるのだが物語のエンディングではほろりとくるような展開もある。どことなく切ないエンディングは必見だ。

~HIGH-BROW GAG & PURE SHOOTING~
この言葉は今作のパッケージ裏に書かれた言葉であり、ある種今作の代名詞、キャッチコピーとも取れる言葉だろう。名は体を表す……その通りに今作はハイセンスなギャグに溢れかえっている。一周するごとに「まだこんなギャグを仕込んでいたのか!?」と驚くこと間違いなし。細かすぎて伝わらないギャグや、もはやギャグなんだかマジなんだか分からないものまで存在している。抱腹絶倒の大爆笑…というのは無いが(え?)、小出しに連発されるギャグの数々はプレイヤーを思わず笑顔にすること間違いなし。ここでは筆者の印象に残った場面の一部を紹介。書いてて頭が痛くなるようなものばかりだが、ゲームで見ると楽しいので是非ともゲームで見ていただきたい。

・1ボス
風船怪獣なのだが、最初は空気が抜けててしぼんでいる。ボスBGMが流れ出すと、ちびキャラ2体が必死にポンプを押して膨らませてボス戦開始となる。遊園地らしいかわいらしいボス演出だ。バンカズ2のミスターパッチより前にこういうのが存在していたんだなあ…

・2面中ボス
ステージ2はお化け屋敷が舞台。先へと進んでいくと教会が。そして中へ入ると突如として結婚式が。そしてそこへ乱入する花嫁の本当の恋人が! ヨーゼフ!ジェリエンヌ!とメルヘンドラマ的な展開!思わず泣き崩れる結婚相手も出る中、中ボス戦が始まる。まさかSTGの最中に結婚式が始まるなんて思ってもいなかった…

・2面ボス直前
お化け屋敷ステージの締めくくりともなる終盤ではフランケンシュタインが登場。しかしその頭の中からこれはどう見てもサザ○さんのネコのタ○の姿が……

・3面中間
雑魚で登場する大型飛行機を破壊すると離れ離れになる兄弟たちの姿が。どことなく罪悪感……

・4面ボス
4面ボスはなんと巨大な女の子。大きすぎて顔が画面から見きれている。妙にダンサブルな曲に合わせて激しい攻撃を繰り広げる。その顔はきっと背景のスクリーンに表示されている子みたく可愛らしいのだろう…と思っているプレイヤーの予想を裏切るオチが。よく見たら背景の子も鼻血出してる…

・夕焼けと言ったらラーメンよね
3面終了時主人公らがきれいな夕焼けを眺めている中突如としてしゃべるセリフ。このゲームに仕込まれたギャグのうち最も謎めいたものでありその意味はまるで分からない……。とにかく、夕焼けと言ったらラーメンらしい。

・6面後半
遊園地の裏は一体どうなっているのか! と思っていたら酒場のようになっておりキャラクターたちも飲んだっくれている。「一気に飲め」「飲んだら歌え」という格言まで存在。なんじゃそりゃ。

・1面海賊船
1面ではギミックとして海賊船が登場し攻撃を仕掛けてくるわけだがその攻撃方法はどうしたことか涙。よく見たら地面のトゲに腹の部分が当たって痛くて涙を流しているらしい……


さてHIGH-BROW GAGの方はハイブロウすぎてハイブロウなわけだが(意味不明)、もう一つのキャッチコピーであるPURE SHOOTINGの方はどうかというとこちらはまさしく言葉の通りの完成度。オーソドックス&広範囲のバルカン、貫通攻撃のレーザー、連射が効かないが超火力のスプレッドボム、ホーミングして貫通まで備えボンバーも最強のゼリーミサイル、この4つのウェポンを使い分けて攻略していくのだがこれが上手い具合に調整されたものになっている。ミスをすると使用していた武器のレベルが一気に最低まで下がるのだが、使っていなかった残り3つの武器レベルはそのままになる。このため武器を使い分ける戦略性やリスクとの駆け引き、パワーアップの戦略などが求められるスリルあるものになっている。
また面白いのは使いやすい武器ほどスコアをあまり稼げず、扱いにクセがある武器ほどスコアを稼ぎやすいというところである。今作はコンボシステムを採用しているのでまとめて倒すと大量の得点を手に入れることができる。
例えば敵編隊が出てきたとき、バルカンで残らず倒すことはたやすいがコンボは起こらない。一方でここで貫通レーザーを使うとすると、残らず倒すには敵配置の暗記と的確なポジション取りなどが必要になるものの、一度のレーザーでまとめて倒すことができコンボが発生、大量の得点を得ることができる。こういった面でも武器の使い分けが効いてくるバランスになっているのだ。このためやればやるほどにその配置の意図を読み取り、スコアを伸ばそうという意識も強まる。
50万点ごとにエクステンドするという仕様もこれを後押ししていて、ある程度のスコア稼ぎがクリアに近いバランスともいえる。一方で鬼のようにスコアを稼ごうとせず、使いやすいバルカンと強力なゼリーミサイルを使って安全にクリアという解法も許容されている。遊びに幅のあるSTGに仕上がっているのだ。パロディウスやバトルガレッガのようにスコアアイテムを連続して取り続けると得点の素点が増えていき爆発的にスコアが伸びる点も面白く、地形にスコアアイテムが当たると地形に沿って動いてくれて取りやすいという良い配慮も存在している。ゆるいギャグに埋め尽くされている今作だがその中身は初心者からマニアックなスコアラーまでうならせるほどのガチな作りになっているのだ。

~ミニゲームもアツい! もはやこっちが本編?~
今作には3つのミニゲームが本編とは独立して存在しているのだが、ミニゲームじゃなく普通に一つのゲームとして売り出してもいいんじゃないか!?と驚くほどに完成度が高いものになっている。テニスが如く球を打ち返し、ホッケーのようにゴールに入れる「パンチボール」、超速スクロールで爆走し最速を追い求める「スカイサーキット」、レーザーと地雷搭載した戦車を駆使し自分以外の戦車を残滅する「タンクバトル」がそのミニゲームなわけだが、このうちパンチボールは2P専用なので一人だと遊ぶのに難ありだが残る二つ、特にタンクバトルが極めてアツい仕上がりになっている。
スカイサーキットではレースゲームのタイムアタックのようにコースの把握とブーストをかけるタイミング、カーブ地帯での減速加速のバランスがカギを握り2P対戦も可能でありレースゲーム好きにはたまらないものだろう。
タンクバトルはフィールド上に地雷を設置しつつレーザーを使って相手戦車を倒していくわけだが、このバランス調整が極めて秀逸。地雷は設置してしばらくすると見えなくなるのでそこに相手を誘い込む、ないしレーザーを当てて起爆させるというのが基本戦略となり、レーザーは壁で反射する性能になっているので戦車ではかなりかわしにくい。このレーザーと地雷の駆け引きが極めて面白いものになっている。誰にも気づかれないような位置でレーザーをちょこちょこ撃ち、のこのこやってきた相手を設置してあった地雷で爆殺! といったことだったりドンパチやっていたら不意打ちでレーザーがすっ飛んできて大ピンチ! 普通に移動していたらいつ設置されたか分からない地雷を踏んでそこでゲームオーバー! みたいなドラマが起こりやすい構造になっている。さらにこのミニゲームのみなんと4人対戦も可能。このアツすぎるバトルゲームのために今作を買うのも十分に有りだ。

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2017年08月11日

今月の一本 アースワームジム

今月はこれにしてみましょうかねえ。最高難易度のオリジナルも普通にクリア出来たんで難易度的には鬼神洋ゲーの割には抑えめというかかなり低めだと思います。難易度云々では無くこのバカさ加減を楽しむのが、今作の遊び方なんでしょうな。
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DATA
発売 / 開発 :タカラ(SFC)、ゲームロフト(HD版、DSiWare)、Interplay(WiiVC(MD版)) / Shiny Entertainment
登場時期 : 1995(SFC、MD)/2010(HD版)
ジャンル : 横スクロールアクション
機種 : MD(WiiVC)/SFC/PS3/Xbox360/DSi(現在配信終了)/PCなど(PS3、Xbox360版はHD版)
プレイしたのはXbox360版



~面白さ絶対主義~
結局のところ、そう結局のところ我々は面白いゲームがやりたいのである。面白いゲームをプレイしたいのである。面白ければ万事解決。面白さ絶対主義。面白ければ何をしてもOK。何をしても許される。それがビデオゲーム。世の中の名作良作と言われるゲームは本当に面白く、そして良く出来ている。その一方で、こう思うことは無いだろうか。「ああ……イカレたゲームがやりたい……」と……。
……ねえよバカ! という声が大多数だと思うが、そんな声は知らん! 我々にはイカレゲームが必要なのだ! 意のままに暴走出来るものが! 破壊しまくれるものが! 奇想天外なものが! 予想もしない展開の数々が! 笑いがこぼれるというよりもう笑うしかないものが! 思わずゲームの向こう側に逝ってしまうようなものが!
我々にとって必要なのは1.リアクション。2.破壊。3.バカ。この3つだけだ!
そしてこの3つを軽く網羅する傑作が「アースワームジム」である。メガドライブ(正確には海外のジェネシス)、SFCの作品ではあるがそのあまりにも高い完成度とイカレ具合により多数の機種に移植された作品でもある。単なるバカアクションにとどまらない、イカレアクションの神髄がここにある。

~もう何でもあり~
体裁は横スクロールアクションであり、ジャンプアクションとガンアクション(ランアンドガンと言ってもいいかも。魂斗羅みたく走りながら撃つタイプではないけど)の要素を含む。ステージを飛び回り銃を撃ちまくるというおなじみのものだ。パワードスーツの力により史上最強のミミズと化したジムがヒロインを助けるべく数多の世界を駆け巡り、走り回り飛び回りボスと戦い、牛を冷蔵庫で吹っ飛ばし、海腹○背やヒッ○ラーの復活の如くワイヤーアクションを決めたり、バンジージャンプで戦ったり、潜水艦を動かし、ハムスターに乗り、犬を散歩させ、宇宙でレースしたりする作品である。犬の散歩だの牛がどうのこうのと意味不明な言葉を次々と述べてしまったがこれは冗談じゃなくマジである。
今作の魅力はその詰め込みまくったアクションと詰め込みまくって狂った世界、これに尽きる。一目見て「これは洋ゲーだな」と分かる独特のキャラデザインと滅茶苦茶な設定の数々、見てて面白いオーバーリアクションの数々は我々の理解を越えている。まずスーツの力で史上最強のミミズと化したジムが大暴れという設定が凄い。数多のゲームが世の中には存在する中、ミミズが主人公のゲームなんて今作くらいなものだろう。ミミズと言ってもうにょうにょしていることは事実だが非常にコミカルに描かれているので生理的嫌悪感を覚えることは無いので安心していただきたい。そしてこのミミズアクションの数々が凄い。空中で自らをブンブンと振り回すことでプロペラの如く安全に低速で落下したり、自らを鞭のようにしならせ敵をペチンと倒したり、しまいにはフックに自らをひっかけてワイヤーアクションを決めたりする。ここまで多彩なアクションが取れる主人公もそうはいないだろう。まさに史上最強のミミズに恥じない性能。更にこれらの動作の全てがなめらかに生き生きと動くのである。洋ゲーコミカルアクションらしくこちらの入力に対してオーバーリアクションで答えてくれるのも見てて楽しいところ。銃ボタンを押せばマジな表情をしてガガガっと撃ってくれるし、ダメージを喰らえば情けない悲鳴を上げてくれる。動きにメリハリがあるので爽快感もありまさに見てて楽しい、動かして楽しいを実現している。
戦いの舞台となるステージも凄い。「作ったやつは頭がどうかしてるんじゃないか?」と思わせる、予想も不可能なアイデアと展開が次々と雪崩の如く押し寄せる。こんな仕掛けがあったら面白いじゃん、こんな敵がいたら楽しいよね、といった理由だけでそういったものが登場する。一面こそ冷蔵庫で牛をすっ飛ばしたりタイヤでジャンプをかましたりフックに自らをひっかけてターザンアクションをしたりゴミロボットと戦ったり盛大にゲップを吐き散らしながら口から魚を吐きだす人間と戦ったりと普通(?)のアクションが展開されるが、その後ステージが進むにつれてどんどん訳の分からないことに。マグマとトゲだらけの地獄とも言わんところに銀行マンがいて攻撃してきたり(何しに来たんだ?)、そのマグマだらけのステージのボスは雪だるまだったり(溶けちゃうよ!)、理由も分からないまま人喰いワニ(ならぬミミズ喰いワニか?)が居るところでバンジージャンプでロープ引き千切り対決を行ったり(危険すぎるだろ!)、隕石が降り注ぐ中これまた理由も分からないまま犬の散歩をしたり(犬の散歩ってこんな過酷だったか?)……とにかく書いていて頭が痛くなるような予想不可能の展開が次々とやってくる。とどめに待ち受ける想像の斜め上…をはるかに上回る衝撃のエンディング……。牛の出るゲームは良いゲームとだけ書き残しておこう。
何もかもが暴走気味、何もかもが狂っていて理解不能。しかし、このゲームが極めてイカしてることだけは理解可能ッ!!アクションゲームとしては粗が多いところもあるのだが(地形と背景が分かりにくいとか、基本ショットの銃弾が見えないので分かりにくいとか)、そんな感想を消し飛ばすほどの愉快なアイデアで満ち溢れている作品だ。まともに考え出すと脳をやられるので、何も考えずツッコミを入れながらプレイするのがオススメである。一日3回、食前、食間、食後に服用してイカレアクションを体験せよ!

~読むほどに分からなくなる、アースワームジムステージ紹介~
アースワームジムのステージをダイジェストで紹介! 書いている筆者も混乱するほどよく分からないステージだらけだ。

・New Junk City
Junkの名が示す通りタイヤとトゲなどが存在。冷蔵庫を落下させ牛を彼方へすっ飛ばすことで本格的にステージが始まる。そこに「何で?」「どうして?」は無い。滑車につかまって移動したりアクロバティックなシーンもかなり多い。2体いるボスのうちゲップしつつ魚を吐いてくるボスが強敵! 吐き出す魚をかわして腹に木箱を畳き込め!

・What the Heck?
2面にしてマグマとトゲだらけといかにも地獄のような不穏なステージ。突然噴き出る炎、背景なのかどうか分からないトゲ、異様に強い銀行マン、ルームランナーの如く走ることで上昇する宝石などが襲いかかる!というか襲われる。音楽は不穏な出だしから一転コミカルサウンドに……と思いきや断末魔のような悲鳴が次々と聴こえてくる。発想が斬新すぎる。ここで挫折したプレイヤーの悲鳴なんだろうか……

・Down the Tubes
水中及びチューブ内が舞台。ト○とジェリーに出てきそうなマッチョネコがのしのしと歩き(触れると殴られる)、仁王立ちしてる子猫がジムを地面に叩きつけようとしてきて極めて危険!前者はロープにつかまってやり過ごし、後者は巨大ハムスターの力を借りて喰え!後半は潜水艦に乗り込みイライラ棒的に操作するパートが襲いかかる。ステージボスは金魚と金魚鉢。もはや何が何だか……

・Snot a Ploblem
突如これまでの横スクロールアクションから激減し、説明も無いままバンジージャンプ対決が始まる。全三回を勝ち抜かなくてはならずかなり過酷。2回戦からは最下点にワニが出現し始め、ワニに食われないようにしつつ相手のロープを引き千切ることが要求される。バンジーってこんなんだっけ……

・Level 5
ステージ名がやけに簡素になってしまった5面は工場のような研究所のようなどっちともいえない場所が舞台。ベルトコンベア、危うい足場に電撃と相変わらず危険なギミックが押し寄せるがその分アホさは減っている。ボスは鳥のような、そうでない何か。恐れることなく撃ちこめ!

・For Pete's Sake
説明のないまま犬の散歩がスタート。モンスターが出たり地面からタコ足のような何かが飛び出てたり隕石が降ってきたりともはや散歩どころじゃないがこちらの意向を無視して犬はすたこら2足歩行していくので追いかけろ!犬は落下したりモンスターに襲われると気狂いを起こし豹変してジムを殺しにかかるので注意が必要。穴は鞭を使うことで犬を飛ばし、時には銃を当てて怯ませろ!(普通撃たれたら死ぬと思う

・Intestinal Distress
見るからに終盤を思わせる場所にて戦いが始まる。プロペラつけて飛んでる魚に目が行くがボス以外はあまり特筆すべき場所はない。ボスは盛大にゲロをまき散らす強敵!ジャンプして撃て!あと食事前にはなるべくこのボス戦は避けた方が良いと思う。

・Buttville
如何にもな最終ステージっぽい背景が特徴。暗い中稲妻が辺りを照らすシチュエーションはかっちょ良いが辺りを覆い尽くすトゲ、ワイヤーアクションの連発、即死攻撃を仕掛けてくる雑魚などあらゆる場所が難所と化す。諦めなければ希望が見える。だから頑張れ!最終ボスに鞭をかませば感動(?)のエンディングだ!

・Andy asteroids?
各ステージ終了時にプレイすることになるボーナスステージ。特に説明の無いまま宇宙でレースすることになる。オーブを50個獲得すればコンテニューが1増えるといういかにもなボーナスステージだが見た目に騙されてはいけない。隕石に当たりすぎると問答無用でゲームオーバーになる。さらにレースに負ければボスと戦う羽目になることも。ボーナスとは一体……

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2017年07月12日

先月の一本 ぐわんげ

今月…では無く先月はこれです。実を言うと今月用に書いてたやつの方が先に書き上がったからこっちを先に、というわけなんだけども。元先月用に書いてたものは現在ちょこちょこ見直し中。
いささか古い作品ではあるものの全く色あせていない魅力的なSTGでもあります。ケイブSTGの中ではOne互換にも対応しているので興味のある方は是非とも。
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DATA
発売 / 開発 :アトラス(AC)、ケイブ(Xbox360) / ケイブ
登場時期 : 1999(AC)/2010(Xbox360)
ジャンル : 縦スクロール弾幕STG
機種 : AC/Xbox360



~異端なSTG~
「ぐわんげ」である。まずタイトルがすごい。一見しただけでは何が何だか分からない。ケイブの前身である東亜プランも「達人王」「ドギューン!!」「鮫!鮫!鮫!」など何が何だか分からないタイトルのSTGを輩出し、ケイブ自身も「怒首領蜂」と書いて「どどんぱち」と読ませるセンスを持っていたが、東亜の流れから見てもケイブのセンスから見てもどことなく異端なセンスのタイトルである。ちなみに当初のタイトルは「ずずり」だったらしい。……こちらも分からん……
次に目につくのが和を基調とした世界観。ケイブの中では、というよりもSTGの中から見ても非常に珍しい設定である。和を題材としたSTGとしては彩京の「戦国エース」などがあるがあれは純和風ではなくむしろ和を軸に色々なものをぶち込み生まれた混沌としたものであった。そこへ行くと「ぐわんげ」は室町時代であり、機械などのオーバーテクノロジーは一切出て来ず、戦車や砲台こそ存在すれど木造という世界観への凝り具合が非常に強い。
更にシステム面もかなり独特。ケイブ恒例の広範囲へのショット、狭範囲だが超火力のレーザーという攻撃手段はあるもののレーザーに該当する式神が他のケイブSTGや他のSTGでも見たことのないタイプであること、そして体力制と残機制を組み合わせたようなシステムなど異端な点が非常に多い。
そう、「ぐわんげ」を一言でいうならば異端なSTGなのである。その斬新で異質な内容は今見ても新鮮に感じるほど色あせていない。細部まで拘り抜かれた作り込みと適切な難しさの難易度調整を成し遂げた異端な良作弾幕STGである。非常にクセこそ強いものの惹かれる要素を多数持ち合わせる「ぐわんげ」の世界へ、いざ!出立!

~お命頂戴!システムを理解せよ!~
先述したとおり自機を動かしショットと式神を使い分け要所要所でボムを撃つのが基本的な流れなのだがこのショットと式神のうち式神の操作が極めて重要。式神は簡単に言えば式神のいる位置に高火力の攻撃を叩き込むというものであり、敵にダメージを与えるだけでなく式神を敵弾に当てることで弾の速度を減速させることができる。減速した弾は色が青からピンクへと変化し、式神から弾が離れると加速し色も青へと戻る。またピンク弾は敵を倒すことで消滅させることが可能。これにより弾幕STGでありながらも敵弾の大多数を掻き消して無力化して進むことができるのである。更に式神起動中は喰らうダメージが通常よりも半減される。更に式神は地形を無視して移動させることが可能なので、地形を挟んだ向こう側の敵に攻撃を与えることもできるのである。
こうしてみると非常に強力で実際強力なのだが、そう簡単にいかないのがぐわんげのぐわんげたる所。まず式神起動中は自機の操作が大きく制限され、縦方向への移動は不可能になり横方向への移動スピードが大幅に下がる。そして何より式神を動かそうとすると自機も動かざるを得ない自機と式神は一心同体なシステムだろう。式神を狙ったところへ置きつつさらに自機の安全を確保するためにはかなりの慣れを要する。自機の安全を最優先で確保しようとすると式神が明後日の方向へ飛んで行ってしまい……なんてことも起こる。操作がかなり独特なため慣れないうちはケイブSTGの中でもかなり難しく思えてしまうだろう。そうでありながら弾幕は割と激しめであり、さらには高速弾を吐いてくる敵も結構多いということや、地形の制限が厳しいということもあり敷居はかなり高いゲームかもしれない。
しかし、ぐわんげに対する理解が進むと自然に先へ進めるようになるというこの絶妙なバランスがぐわんげの魅力でもある。実際今作はケイブSTGの中でも難易度は低めであり、それでいて「先へ進めたけどなんで先へ進めたか分からない……」というようなバランスでもない巧みな調整が効いている作品でもある。
STGの基本はパターン化に加えて「やられる前にやる」というものであり、敵配置を覚えての問答無用で即破壊することが重要だがぐわんげはそこに至るまでのハードルを下げているのがポイント。基本的には「敵が見えたら式神を重ねる」、これだけで大幅に進みやすくなるのだ。弾を撃たれても式神を重ねることで減速化、そして減速した弾は敵の破壊で消滅させることで弾避けがほぼ不要、といった具合に進めるうえでの方針が明解で分かりやすく、高度なテクニックも必要とされない、という意味で非常にやさしいSTGである。また、STGの肝である弾避けに関しても式神で弾を止めている間に空いている空間に移動すれば良いという点で非常に分かりやすく、加えて体力制採用ということもあり多少被弾しても問題ないというところも非常に親切。ストイックなゲームが多いSTGの中でこのやさしさ溢れる作りが非常に素晴らしい限り。だからと言って簡単ではない、しかし理不尽ではない難易度調整も素晴らしく初心者でもクリアに到達しやすい作品だと思える。また、回復アイテムが大量に供給される点も、頑張ればクリアできるかも!?という気にさせてくれる親切な作りである。回復アイテムと体力制のシステムを理解してパターンを組めばクリアできる日も近い、はず。無理せず要所要所でボムを撃て、とだけ言っておこう。
ぐわんげの作りはこのシステムへの理解を軸に構成されており道中の難所ではしっかりとした理解を求めてくる。反面アドリブや数ドット単位の弾避けは全く存在しない(ラスボスではさすがに少しはその必要があるが……)ため理解さえ出来ればすんなり進める。例えば2面の船は一見すると2面とは思えぬ弾の数でアワアワしてしまうが、基本動作の式神を重ねることですんなり倒すことができる。3面のおかよさん地帯も次から次へと出てくるおかよさんめがけて式神を放り、弾が消えたことを確認してパパッと抜ける、ということが掴めれば難しいわけではない。厳しい場所はボムればいいという調整でもあり3面終盤やネコ蜘蛛第2形態第3形態なんかはボム前提の攻撃ともいえる。が、ここで死んでも4面で体力回復アイテムが出るので神経を張りつめる必要がない。4ボスの獣社や5ボス前座の足利凄氏は式神を使うと逆に危険をシステムの裏をかいてくるが逆に言えば式神使うと危険という知識があれば突破は難しくはない。といった具合にどれだけぐわんげについての知識があるかが重要であり逆に言えばそこまでゲームスキルを要求してこないため誰でもクリアまでたどり着きやすい作りなのである。システムの兼ね合いの名場面と言えばやはり6面後半の鬼ごっこ地帯であろう。実質全方向へ攻撃可能といったことを逆手に取った全方向から押し寄せる鬼の大群をショットと式神の使い分けで対処し、さらには逃げ回るシーンはぐわんげの中でも非常に印象的な場面である。

~唯一無二の世界、和風ホラーと怖さへの挑戦~
ぐわんげは純和風STGという非常に特異な世界観で構成されている。そしてそれは今見てもなお色あせることなく見るものを「ハッ!」とさせるものでもある。それは和風という物珍しい世界設定だからということもあるけれど、それ以上に細かく書き込まれたグラフィックにもある。屋敷であったり夜の山寺であったり神社であったり、そして最後の舞台である獄門山であったり、その戦いの舞台となる背景の書き込み具合や地形の設計は非常に美しく、そしておどろおどろしい。そして要所要所の演出が極めてハマっているのである。
例えば敵キャラの動きのリアリティ。今作の敵は人間や妖怪など他では見られない敵が多く、そして生き生きとした動きを魅せてくれるものが多い。とてとてと歩いてきてはフン!と攻撃を仕掛ける村人、大砲を放つ大筒男、くるくると華麗な舞を踊りながら弾幕をまき散らす舞華など人間キャラは無論のこと、壺からグバッと出てきて弾をまき散らし、白骨化してもなお攻撃の手を緩めない壺姫、凄まじい弾幕をまき散らす首取り小僧、突如飛び出しにらみつけてくるお志乃など見ていて非常に面白く印象的で、不気味。雑魚でこれなのだからボスも非常に面白い。蜘蛛と猫を足して生まれたネコ蜘蛛や戦車と一つ目妖怪を足した獣社、壁を突き破って登場し大猿へと変身する足利凄氏、そしてもはやこのゲームの代名詞とも言えるぐわんげさま、彼らの動きのおぞましさや見た目のグロさ(特にぐわんげさま)は強烈なインパクトを誇る。おどろおどろしくもハッとさせる動きの細かさが見て取れるのである。特にぐわんげさまの見た目のすさまじさは必見。
「戦車出せ!戦車!」という名台詞も存在する通り、今作には純和風にも関わらず戦車が登場。そしてこの戦車の動きに関してもまた、素晴らしい。貴様を殺すとばかりに木造戦車が動き弾幕を放ってくることの、なんと美しいことか。発射ギミックの多彩さや世界観に合わせて戦車を引きずる敵も存在するところも見逃せない。非常に見ごたえがあるSTGと言えるだろう。
そしてエスプレイドでもその片鱗を見せていた「戦いの中に潜む残酷さ」を押し出したような描写もぐわんげの特徴であり大きな魅力と言えるところ。船を壊せば油が広がる、といった演出を仕込んだのはガンフロンティアであり、敵を破壊すれば爆散し破片が散らばりあげくには木々も燃えるという演出を魅せつけたのは雷電Ⅱだが、ぐわんげもまた「生きている敵を殺せば血が出る」という演出を仕込み、見るものを圧倒している。が、安易に血をドバドバと出してはただの悪趣味なものになりかねない。この辺のバランスをしっかりと取って、プレイヤーに訴えかけるものにしている辺り今作が如何に考えられて作られているかが分かる。5面の舞華を倒す際なんかは特にこの残酷さを意識することだろう(轢殺しないと倒したことにならない)。また、敵の破壊だけでなく絵で魅せる物語部分でもこれを十分に見ることが出来る。ネコ蜘蛛に食われる名も無き人間、野槌に食われた牛の死骸、尼魏主、ぐわんげさま前の首が切断され胴体だけとなった死体の数々など、要所要所でえぐい残酷さが感じ取れる。主張しすぎることは無く、しかしプレイすることでこうしてちゃんと強烈な印象を残す。これぞ上手い演出といったものだろう。ただ一つだけ惜しい点があるとするならば、ゲームの仕様上式神の爆風によりこの素晴らしい映像の数々を認識し辛い、ということだろうか。しかし式神の派手な爆風があったからこそ、グロ過ぎず平常心を保ってプレイ出来るのかもしれないのだが……
こういったようにぐわんげは演出面に力を入れた作品であるが、中でも和風ホラーを強く意識した作品でもある。これはかなり度胸やセンスのいることでもあるだろう。STGで怖さの表現を組み込むのは中々に厳しいものがある。理由は単純で何度も再プレイすることによって敵配置を覚えることが重要なジャンルなので、怖い表現も何度も見てしまうので見慣れてしまうからだ。種が分からない状態でお化け屋敷に入るのと何が起こるか全て分かった状態でお化け屋敷に入るのとでは怖さが違うだろう、ということだ。
そこでぐわんげが取った方法は肝を冷やす印象的な演出や映像を仕込むということである。先に述べたネコ蜘蛛に食われる人間や尼魏主前の生贄辺りは、単なる怖さにとどまらない強烈なインパクトとえぐい残酷さを両立させている。その映像は一度見たら忘れられないものであり、そして何度見てもヒヤリとさせられたり食われて死んでいく名も無き人間に思いを馳せたりもしてしまうだろう。野槌の登場は最初見た時はビックリ系の恐怖を覚えるが、次第に見慣れてくると野槌に食われてグロイ死に方を遂げている牛にも目が行くだろう。こういった作り込みの細かさと、その発見による肝がひやりとさせられる点がぐわんげの怖さの表現で優れてるところなのだ。
またこの怖さの表現が最も現れたのが肝試しステージこと3面。夜の寺というロケーションといい、1面2面で妖怪の登場数を絞った調整がここにきて非常に効いている。壺姫の発狂時の髑髏顔なんかも非常に印象深い。そしてここで最も肝を冷やすのがお志野の存在。というのも、こいつ登場するときとしないときがあるのだ。そのためここだけはプレイする際非常に緊張感が漂うものになる。今回は出るのか?それとも出ないのか?と。前方に注意を向けていたら突如としてうにょーっと凄まじい顔をして飛び出てきて来ることの恐怖は慣れてもなお相当のモノだろう。
また、ゲーム開始時とエンディング時のデモシーンもぐわんげを構成する上では非常に重要であろう。モノクロではあるのだが極めてカッコよくそして美しく書き込まれた絵とそれらを生み合わせたカットは非常に見ごたえがあり、プレイヤーを一瞬でぐわんげの世界へと引き込む力を持っている。シシン編の血飛沫の飛ぶ描写やシシンの登場シーン、小雨編の藤村静彦へ向けて放った矢を舞華がかばうシーン、源助編の源助の企んでいる顔がバッと表示されすぐさま麒麟丸が雇い主に向かってガバッと襲うシーンなど短い間でも印象に残る場面は極めて多い。エンディングに関してもそれは同様であり、是非ともその目で見ていただきたいものである。
音楽はエスプレイドに続いて楠雅弘氏が担当。和を前面に押し出しつつもテクノ的というこちらも挑戦的かつ唯一無二の音楽のクオリティは極めて高く、特に3面の曲やボス曲が印象的。特に3面の曲はぐわんげを象徴する曲と言っても過言ではなく、サントラではボーカルバージョンまでも収録されるほどである。エンディングのいろは歌なんかも印象深く、耳に残るだろう。
ぐわんげはゲーム性を重要視する節のあるケイブSTGの中でも非常に演出面や世界観に力を入れて作られた作品である。それが故にケイブの中でも異端な作品にはなっているものの、その完成度は非常に高くやりごたえのあるものである。非常に親切な作りになっているので、自分の力でその世界を見ていただきたいものである。

~3つのモードを選ぶがよい!~
ぐわんげは特殊な内容かつ古い作品であるのでゲーセンなどに行っても今では中々置いていないかもしれない(そもそもSTGを置いてるゲーセン自体が……)。しかしXbox360に移植されており、しかもXboxOne互換にも対応している。今からやるのであればこちらがベストである。360版ぐわんげにはそれぞれ3つのモードを収録している。
・アーケードモード
所謂普通のぐわんげ。ぐわんげと言えばもっぱらこれであり、全ての基本ともいえるモード。名の通りアーケードの移植である。移植度は筆者はAC版ぐわんげに遭遇したことがないので不明だが十分に高いはず。
・青モード
AC版に微調整を加えた青版を移植したモード。基本はACと同じだが全体的に稼ぎやすくなっている他、4ボスが強化されていたり5ボス前座の足利凄氏や尼魏主第1形態が魔強化されていたり逆に尼魏主最終形態が大幅に弱体化していたりと元を知っていればかなりの変化がある。難易度の頂がACとは異なるので人によっては難しく感じるかもしれないが、総合的にはACと同等の難しさでありアーケードがクリアできるのならこちらもクリアできるはずである。
・360モード
ぐわんげの集大成ともいえるモード。最大の特徴は右スティックで式神を自在に動かせるようになったこと。これにより操作が難しいという敷居の高さが消滅し、さらにこれを踏まえた敵配置に変更されているので爽快感が増し、その上青版よりもさらに稼ぎやすいと至れり尽くせりなモードになっている。根本的な難易度も大幅に減少し誰でも楽しくプレイできてクリアしやすい作りになっている。

このうち360モードが出色の出来。ぐわんげの特徴をつかむのにうってつけであり、かつ難易度も高くないのでここから始めて、AC→青へと手を伸ばしていくと楽しいかもしれない。

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2017年05月31日

今月の二本 どぎめぎインリョクちゃん、どぎめぎインリョクちゃんラブ&ピース

今月はこれで行ってみましょう。二本とか言ってるけど実質無印(3DS版)によった紹介になってるよな気がします。まあ根幹は同じなんで多分大丈夫でしょう。今作は確かに難しいけれど、それ以上に考え抜かれたステージ構造と緻密な解法を要求するバランスと解法の多彩さが魅力でもあります。クリアしたとき確かな達成感を得ることが出来る今どき貴重など根性型アクションなので頑張っていただきたいものです。
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DATA
発売 / 開発 : アークシステムワークス/アークシステムワークス、エープラス
登場時期 : 2013(3DS)/ 2015(PSVITA)
ジャンル : ステージクリア型アクション
機種 : 3DS/PSVITA



~君の魂はどぎめいているか?~
やあみんな!今日も元気に昼下がりながらどぎめいているかな?お兄さんは満員電車にも関わらずイチャついてるカップルを見かけた時は憎悪を滾らせた目つきで睨み脳味噌にキューピットの矢をブチ刺して昇天させたろかッ!と思いながら電車に乗ってるぞ。人格破綻者かよ。
こういったように荒んだ思考回路になってしまうのはときめきが足りないからである。なんか面白いこと無いかなーと口癖のように呟き口を半開きで眠たげな眼をして無気力のまま怠惰な日々を過ごしているからいけない。こんな時は一際面白く熱中させてくれるゲームが必要だ。それも飛びっきり純度の強いものが。
そこで「どぎめぎインリョクちゃん」である。アークシステムワークスが送り出した一風変わった2Dアクションゲームだ。DLソフトということで知名度の方はそこまで高くはないのだがその噂は知っている。多くの人の心をへし折った作品だということ、そしてその一方でハマる人はとことんハマる作品だと。需要があったか定かではないのにVitaにリメイク+新コース追加で登場したのがその何よりの証拠である。どぎめぎインリョクちゃんは自分にときめきを与えてくれる作品だったのか。確かめてみるしかなかった。
……そしてプレイ後、ものの見事にキュンキュンと撃ち抜かれズギューンと昇天させられてしまった。先に結論として、今作は近年まれに見る2Dアクションの傑作だとここで断言してしまおう。

~どぎめぎを知らない人に色々教えてきます~
ゲーム内容はステージクリア型のアクションゲーム。ステージのクリア条件は、ステージ内の敵をすべて倒す、もしくはゴールへたどり着くこと。基本操作はジャンプに加えて矢を2本まで放つこと。この矢を放つことがこのゲームの肝。矢を放つという一つのアクションで多彩なことが出来るのが特徴である。例えば攻撃。敵の動きを矢を当てて封じて、違う敵に矢を当てると敵キャラ同士が惹かれあいズギューンと破壊できる。敵と地面を結び付け破壊することも可能。更に矢と矢を上手く結びつけた直線状に敵がいればまとめて昇天させることも可能!といった具合だ。次に移動。矢を地面に二つ放つことでトランポリンが形成され、これを利用して大ジャンプすることが重要な攻略テクニックである。
どぎめぎインリョクちゃんの特徴を挙げるならば以下のような感じになるだろう。
・凄まじい操作性の悪さ
・圧倒的な操作の快感
・凶悪な難易度
・優しさに満ち溢れた敵配置、トゲ配置などギミック構造
・気付かなければクリア出来ないようなステージ構造
・多彩な解法が許容される懐の広い調整
・掘れば掘るほど底が無い奥深いゲーム内容
相反することが次々と並んでいるが、これは決して筆者の頭がどうかしてまともな評価が下せなくなっているわけではない。私は真剣だ。
今作は辺り一面がトゲに埋め尽くされている中を飛び回る言わばジャンプアクションの要素が強い。そうなるとジャンプがカギを握るのだが、このジャンプの挙動が非常に曲者であり端的に言えば「すげえ操作しにくい」といった感じ。だって重力のかかり方がなんだかもったりしていて奇妙だよコレ!?更に空中での横方向への制御は雀の涙ほどであり、「飛び過ぎた!」と思っていてもそのまますっ飛んでいくだけである。更にここに小ジャンプと普通のジャンプも絡んできて、その上その二つの使い分けを出来るようにならなければキツイ場面も多い。続編のラブ&ピースでは滞空が出来るようになったりと多少制御がしやすくなってはいるものの操作の難解さはほぼ据え置きなのだから恐ろしいところである。初めは段差一つ飛ぶだけでも大苦労だったもん。マジで。大マジで。
しかし、2本矢を放つことで形成されるトランポリンを使いこなせるようになると、途端に今作は爽快感あるアクションに変貌するようになる。ジャンプでは届かないところにトランポリンを形成してひとっ飛び!トランポリン形成で大ジャンプ!といった具合にアクロバティックな操作が出来るようになると非常に気持ちよくなる。この難解な操作を乗りこなし己の指先の微妙な調整で難所をスイスイと突破していくのが本当に楽しい。
また、こうしてトランポリンに着目すると、クセだらけのジャンプの挙動は全て計算されたものだというのがよく分かる。妙にもったりとして横への制御が効かないのは、このゲームの基本テクニックである「その場でジャンプ、すぐさま左右に矢を放ちトランポリンを形成して大ジャンプ」を可能にするためだろう。これで横制御が効くようになってしまったら、逆に操作しにくくなっていたことだろう。ラブ&ピースでは滞空が加わったことにより、このその場にトランポリン形成が活用しやすくなり上に飛び過ぎてもそれを抑えることが可能になり更に快適に操作できるようになったのもポイント高い。また、この基本操作であるトランポリン形成をステージをクリアしていくうちに自然に体得できるような作りなのも見事なものだ。
世の中には操作が難しいゲームは大量にあるが、今作はただ操作が難しいゲームでは無く自転車に乗るような、慣れると気持ちよく操作出来るタイプのゲームである。その中でも欠点に思えるところすら計算されゲーム性として組み込まれているのだ。こんなゲーム今までなかった……
操作と並んで特徴的なのがその難易度。今作はもう極めて難しい難関アクションである。あんまり難しい難しいと言ってビビらせたくはないのだが、おそらくは10人中15人が難しいと思うほどには難しい作品だろう。更にその難しさも操作が難しいことや攻略の糸口を探すのが難しいこと、それらが合わさった純粋な難しさがあると言える。全50面の難易度はまさに凶悪。ラブ&ピースのノーマルとヘルはハードとスーパーヘルの間違えじゃないのかー?と思えるくらいに難しい。
しかし、それらは計算された難しさなのである。つまり、何らかの突破の方法が必ず存在する。それがどんなに難しいステージだったとしても、である。操作に関しては基本テクニックは自然に体得できるよう調整されており、難易度の高いステージも敵を倒す順序やどこにトランポリンを形成するかということに着目すれば十分にクリアは可能な難易度だ。
今作は超人的な操作技術を体得することよりも、どれだけ思考を重ねたかが重要になる。操作性が操作性なだけに上手く自機制御できないとクリア出来ないと思われがちだが、自分のようにアバウトな自機制御しか出来なくても必死に考えればクリア出来るよう設計されている。ステージ構造や敵配置から何を要求しているのかを考え、ひたすらに試行錯誤、そして練習の積み重ねによる精度の上昇。これらがしっかり出来れば難所でも十分に突破は可能だ。そしてクリア時には非常に大きな充実感を得られる。どぎめぎインリョクちゃんは非常に優秀なトライ&エラーゲームだ。このクリア不可能に見えても必死に取り組むことで実はクリア可能という絶妙で巧みなバランス調整こそが今作の醍醐味である。
更に後半のステージはただ難しいだけではなく制作者の優しさが垣間見える作りになっているのもポイント高い。44面や45面はこのゲームの中でも12を争う極悪難度のステージだが、回復アイテムを配置したり、トランポリンを上手く形成すればすんなり突破できるよう、それとなく分かる作りになっている。こういったように難所には必ず手厚く配慮してくれている優しさがあり、そしてその優しさも過剰過ぎない自分の力で突破した感を強く演出してくれるものに留めてあるのが凄いところだ。
そして真に恐ろしいのはクリアに至るルート構築は多数存在すること。自機制御をほとんどしなくても突破出来るルートを構築したり、トランポリン連続形成によるごり押しルートを構築したり、スタイリッシュに短時間で突破出来るルートを構築したりとその解法は無数にある。敵を倒す順番やどこにトランポリンを形成するか、どう形成するか、それは自分に可能なのか、ということを考え、ひたすらに試していく。緻密な解法を要求するゲームにも関わらずその解法はプレイヤーの好きなように解いていいなんていう自由度の高いゲームなんてめったにない。一体どれだけ調整に時間をかけたのか想像も出来ない。凄すぎる。一部の極まったプレイヤーの動きはもはや芸術の域に達していると言っても過言じゃない。必見。

今作の魅力をまとめるならば全てが機能的に作用しているということだろう。奇妙なジャンプはトランポリン形成により自由自在の力を手に入れられる飛び道具へと昇華し、殺人的な難易度は徹底して調整された巧みなゲームバランスにより緩和され適度な苦戦を楽しめるものに仕上がっている。それでいて攻略と解法の自由度は極めて高くステージクリアに命を燃やす人からタイムアタックに興じるやり込みゲーマーまで誰をも満足させる納得できる難しさを持っている。これ以上、何を望む必要があるのだろうか?どぎめぎインリョクちゃんはまさしく職人によって作られた職人気質のバランスが光る2Dアクションゲームの傑作である。あまりの操作性のアレさに投げ出すのはもったいない!最後までプレイすればきっと新天地がそこに広がっているぞ!


~ほぼ同じながらもはや別物?無印とラブ&ピース~
どぎめぎインリョクちゃんは3DS版(無印)とVita版(ラブ&ピース)が有り、これまでは主に3DS版を中心に話してみたが、続編であるラブ&ピースの仕様は大体こんな感じにまとまっている。
・オリジナル50面(無印と全く同一の構成)+新規コース難易度ノーマルとヘル合わせて100面の全150面
・各面選択可能(3DS版は通しでプレイしなければいけない)
・滞空の追加(空中でジャンプボタンを押すことで僅かな間天使の羽を使って微妙にその場に浮くことが出来る。横制御も多少可能)
・ホッピング(真下に矢を2発放ちその場で大ジャンプをすること)の移動量が増加などその他細かい挙動の変更など
全体的に操作周りが多少操作の難しさを和らげる方向の調整となっており、更にアクロバティックな移動と多彩な解法が許容されるようになったのが特徴である。滞空の追加により制御がかなりやりやすくなった反面それを前提にバランスを取っているのもポイントであり攻略し甲斐のある難関ステージが多数揃っている。
こうしてみるとラブ&ピースの方が無印のコースもあることだしこれだけ買っておけば良いんじゃないの?と思いがちだが、個人的には両方買ってやってみることをお勧めしたい。両者とも同じゲームにも関わらず操作の質が異なり、どちらも同じステージ構造にも関わらず「もはや別物なんじゃないのこれ!?」とまで思えるほどの完成度だからだ。滞空の存在により同じステージにも限らず全く違った解法を導くことなんかしょっちゅうであり、2作買っても新鮮な気持ちでプレイすることが出来るのだ。滞空があるのでとりあえず飛んでから後のことは考える、というアバウトな攻略でも通用するがそれ相応の難しさもあるラブ&ピースに対し、滞空が無い分更に理詰めでステージ構造などを観察し考え突破していく無印。どちらにも違った面白味や評価点が存在しているが、共通しているのはどちらも巧みな難易度調整が成されていて機能的に全ての要素が作用していることだろう。両方買えば倍楽しい未来が待っている。そうは言ってもいきなり2作も買えないこともあるだろう(ハードが違うしね)。どちらも面白いのでどっちから買っても問題なしだ。が、なるべくならラブ&ピースからの方が無難かもしれない。癖のある操作は人を選ぶ気質がありラブ&ピースの方が馴染みやすい作りになっているし、ノーマルモード50面で操作の基本を十分に学習することが出来るからだ。
それにほら、今作は安いから。2作買っても大した出費にはならないから。男らしく2作とも同時に買っちゃうのが刹那的でカッコいい生き方かもしれない。楽死イゲームライフはすぐそこにあるぞ!
posted by グレイ at 00:00| Comment(0) | 今月の一本 | 更新情報をチェックする