2017年01月31日

今月の一本 メタルスラッグ3

今月も終わろうとしている中、今月の一本はこいつでございやす。形だけでもとりあえずノーコンテニュークリア出来て良かったよホント。中身の方はいつものことながらなーんか同じことしか言って無いような気もするけど……。破壊だの爆破だの。他に語彙は無いのかよって感じだけど、まあいいや。いや良くないが。
そんなグダ話はさておいて、天下の任天堂が今年送り出す新ハード「ニンテンドースイッチ」にメタルスラッグ3も完全移植が登場しちゃいます。気が向いた方は買ってみてはいかがでしょうカ。
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DATA
発売 / 開発 :SNK
登場時期 : 2000(AC:他機種に関しては割愛)
ジャンル : 2DアクションSTG
機種 : AC(MVS)/NEOGEO/PS2/PS3/PSVITA/PS4/Xbox/PSP(メタスラコンプリート)/Wii(VC)/XB360(XBLA)/iOS/Android/Steam


~マイナー界のメジャー~
メタルスラッグシリーズはSNKを代表する2DアクションSTG。非常に名の知れたゲームであり、ゲーマーないしゲーオタなら名前やその噂を聞いたことはあるレベルの作品である。緻密なドット絵、小気味良い操作性、撃ちまくりの爽快感などなどアクションの楽しさが詰め込まれたゲームだ。現在は2Dアクションの新作こそ出ていないものの過去作が各ハードで気軽にプレイしやすい環境にある、などかなり恵まれたシリーズでもあったりする。
今回はシリーズ最高傑作とも言われる3について色々アレコレ話してみよう。メタルスラッグ3はメタスラシリーズの4作品目(初代2Xと出ている)であり、初代2から続く物語のある種完結編である(エンディングに銃を捨てる描写があるし)。今作を最後にメタスラを送り出したSNKはSNKプレイモアへと変わった。キャッチコピーは「史上最大の激闘」。古典的な射撃系2Dアクションゲームを、狂気を感じるほどのドット絵と徹底したプレイヤーへの配慮でアクションSTGの最高峰へと昇華させたその見事な手法は今見てもなお色あせることがない。

~火力第一主義~
メタルスラッグ3の長所といえばとにもかくにもまず火力。特殊武器を手に入れた瞬間からトリガーハッピージェノサイドモードに移行し敵を思うがままに爆殺!、スラッグ(乗り物)に乗った瞬間に無限の力を得たかのように錯覚し「オラオラー!!どいつもこいつも吹っ飛べや―!!」とばかりにバルカンを乱射し雑魚兵を蹴散らしていく!これこそが今作の最大の魅力である。大破壊大暴走大殺戮の爽快感では今作の右に出るものなどほとんどいない。そしてこの火力を演出するための表現もまた凄い。メタスラといえば緻密でぬるぬると動くドット絵が特徴だがこれが火力に関わっている。爆発のド派手さも魅力的だがそれ以上に凄いのは死に際のドット絵だ。雑魚敵のモーデン兵を例にとっても、血反吐を吐いたり血飛沫が飛んだりバラバラに砕け散ったり黒こげになったり火が付いたままもだえ苦しんだりと死に際のパターンが偏執的なまでに極めて多い。生物系の敵も液体をぶちまけながら派手に飛散していくなどグロテスクで悲惨。これらの死に際パターンが途切れることなく緻密に動きまわるのだから爽快感を演出しないわけがない。画面の密度が圧倒的に高く、一秒一秒破壊の楽しさを味わえるとんでもないものだ。
また火力が高いのは自分だけではない。敵もまた高火力、つまりは死に直結する攻撃でこちらを殺しにかかってくる。メタスラシリーズは一撃即死のゲームなので特有のシビアさがあるが、それゆえに敵の攻撃の一つ一つが恐怖に感じられる。そして敵の火力を演出するのが自機であるプレイヤーキャラの死に際ドット絵である。ある種上で挙げたモーデン兵よりも悲惨な死に方を遂げ、プレイ中は思わず「うわぁああぁ!!」なんていう情けない声まで挙げてしまうほどに凄まじい。撃たれたりして血飛沫飛ばしたりするのはもちろんのこと、ゾンビになって腐って死ぬ、食人植物に食われて死ぬ、植物に寄生されわさわさとしモルボルのようになって死ぬ、岩に潰される、焼き焦げる、腹が弾け飛ぶ、消化液喰らって溶かされるなどもはや何でもあり。死に際の悲鳴もこの火力の演出に一役買っている。
つまり今作は火力VS火力といった趣の作品である。プレイヤーはでたらめに強いが敵もまたでたらめに強く爆発に次ぐ爆発、破壊に次ぐ破壊のオンパレードでまさにお祭り騒ぎ。そしてこのお祭り感を出しているのが巧みな特殊武器の配置やスラッグの配置。一見敵の火力が凄まじく「こんなところどうすればいいんだ…」というところには必ずと言っていいほど特殊武器やスラッグが配置されている。そのため難しそうに見えるが実際そこまで難しくは無く、破壊の爽快感を味わえるという構図になっているのだ。特殊武器は追尾弾や火炎放射器、貫通レーザーガンやショットガンなど見た目からも分かりやすい強さを誇り、ハンドガンではちょっと硬い敵も一発で爆殺が可能。スラッグもタイトルになるだけあって極めて強く、戦車にのって撃ちまくり、ラクダに乗って砂漠で大暴れ、戦闘機に乗り込み高速飛行の中ぶち壊しまくりと触れて楽しい見て楽しいを演出している。非常に丁寧に作られた作品だ。まさにキャッチコピーの「史上最大の激闘」に恥じない、どころか数々のゲームの中でも最高峰の「激闘」を味わえる作品である。

~ドラマチック大破壊アクション~
メタスラシリーズといえば先にも述べたが鬼のように緻密なドット絵。それが生き生きと動きアニメーションを取るのが見どころの一つであるが、それによるドラマ性の高さもまた今作の魅力だろう。メタスラシリーズでは物語を文字を使わず、絵で勝負している作品。キャラクターのドット絵の演技だけで伝わるそれは独特の味と趣のあるもの。そしてその絵が2Dの極致とも言えるものなのだから物語もまた魅力的なものだ。3はこの表現が極めて上手くプレイヤーがグイグイと引き込まれるようなものになっている。2面開幕の研究員が逃げ出すシーンを見せておいての新敵、ゾンビの襲来などから始まりステージ中の物語表現は見どころがたくさん。談笑しているモーデン兵に心和ませるのもまた一興。
そしてこのドラマ性を最大限に見せつけたのが最終ミッションであるステージ5。シリーズ初の空中戦であり強制スクロールの中繰り広げられる激闘を潜り抜け、機関銃を駆使してボスとの対決に勝利した!激しい死闘は終わりを告げた…と思いきや!、ボスはなんと火星人(マーズピープル)だった!?そしてモーデンと今まで操作していたプレイヤーをかっさらい宇宙へ。そしてさらわれたプレイヤーを助けるべく現れた仲間が操作キャラとなり、モーデン兵と協力してマーズピープルを倒しにロケットで宇宙へ……と凄まじくアツいものになっている。特にプレイ中に主人公交代なんて前代未聞だ。それすらも、高度な物語演出へと昇華されてしまっている。すげえ。凄すぎる。
宇宙へ飛び立った後も怒涛の展開は止まることは無い。敵のUFO内に潜入して火星人との大激闘、モーデン元帥の救出、そして敵の親玉を撃破してもなお戦いは終わらない。今度はクローンが押し寄せる。まさかの倒したはずの5面中ボス(アレン軍曹)も駆けつけ大激戦。培養槽に囚われた仲間を救いだし、後ろから追いかけてくるゾンビクローンから逃げつつUFOから脱出した先に待つ圧倒的な何か……。アクションでは物語性はそこまで重要視されないものだが、メタスラ3はこのようにドラマ面も非常に楽しめる。「史上最大の激闘」とは単に爆撃描写だけでなくこういった物語面から見てもそういえるのだ。

~高難易度は幻想?実は意外と難しくない~
さて、今まではある種エンタテイメント的な側面からメタスラ3を捉えてその魅力を見てきた。ではゲーム的な側面はどうか?と言う話になるが、メタスラは初代の時点で動きの小気味良さ、つまりはアクションの面白さに関しては完成していたわけである。そして3でもその面白さに関してはその完成度の高い状態を維持している。更に新たに加わったルート分岐によりそこから深みを出してきたのである。ルート分岐により単に1周クリアするだけにとどまらない奥深さを加え、難易度の高低を考慮して攻略ルートを決めるなど初心者から上級者まで飽きさせることのないものに仕上げたのである。ルート分岐は視覚的な変化もアリアリで普段と違うルートを通れば新鮮な気分になる。描かれる世界観も、例えば4面を例にとると腐海ルートのように蛆虫と王蟲がわんさか出てくるグロテスクなものからあまりにも重火器超火力が凄い旧日本軍ルート、押し寄せる食人植物を焼き殺しつつ進む山登りルート、ミイラが次々と出てくるその名もミイラルート、といった具合にバラエティ豊かで飽きさせることは無い。ルート分岐を加えたことでメタスラは更に完成度を高めたのだ。
ゲーム的な側面といえば難易度。メタスラシリーズは一発即死なので特有のシビアさがあるのは先に述べた通り。メタスラ3は適切な難易度調整を行っているが、流石にシリーズを3作(実際には4作)重ねてしまったので難易度の方もかなり上がっている。そのためアドリブでどうこうなる難易度では無くなってしまっていることは確かだ。しかししっかりとメタスラ3に向き合えば徹底して難易度緩和措置があらゆるところに設けられていることに気が付くだろう。難所にはスラッグが置かれているし、特殊武器は途中で途切れて火力を失うことの無いような適切な配慮がなされている。ボスの攻撃も前兆がド派手なのでパターン化を行いやすい。パターンを外さなければ生存は保証されるのでそこまでべらぼうに高い難易度なわけではないのだ。まあ、運が悪いと負けるしかない悪の化身「ソル・デ・ロカ」なんてのもいるが、ロカ様も黄弾を除けば基本的にこちらを死に至らしめる攻撃はしてこない。こちらの攻撃力に関しても捕虜が常時出るので困ることも無い。ノーミスを考えるなら地獄だが、3機の間にクリアすることだけを考えるのならそこまでロカ様も強いわけではないのだ。こういった徹底した配慮のおかげでパターンの中で大暴れ出来る許容の広さが存在している。

~職人魂万歳!!~
長々とメタスラ3について語ってみたが、メタスラの面白さはこうした作り込みの細かさを体感していくところにある。それは、見た瞬間に分かるほどの緻密に書き込まれたドット絵であったり、そのドット絵で雑魚敵から超巨大なボスまでもが生き生きと動く描写であったり、そのドット絵で逐一過激に描写される大破壊大暴走大殺戮の爽快感であったり、コミカルでありながらグロテスクで惨たらしい死に際であったり、適切に置かれた武器配置であったり、ルート分岐による攻略の奥深さであったり、怒涛の勢いで展開される物語であったり、ステージの至る所に隠された稼ぎ要素であったり、放置している時にプレイヤーキャラが取る見ていて和む行動であったり、ドラマチックな物語を彩り破壊の楽しさを更に底上げする音楽とSEであったりと、とにかく膨大なほどの要素がメタスラ3には詰め込まれている。まさしく職人の手によって手掛けられた代物だ。単にエンディング1回見て終わり、で満足してしまうゲームでは決してない。遊ぶたびに何らかの発見があるゲームだ。その職人魂を発見していくごとに更にメタスラへの思いを強め、作品に陶酔していく。メタスラ3はそんな職人魂全開の作品である。こうまで細部まで徹底的に作り込まれたゲームはそうそうない。決して色あせることのない、2DアクションSTGの一つの到達点がここにある。既にプレイ済みの人も、難易度の高さに投げ出してしまった人も、あるいはメタスラ未プレイの人もプレイしてみて、ぜひともその圧倒的なまでの作り込みの凄まじさを体感してもらいたい。そこで味わえるのは、決して他のゲームでは代用出来ることのない純度の高いものなのだから。

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2016年12月31日

今年のボツその2 Geometry Wars: Retro Evolved

なんか漁ったら出てきたので。見た感じ下書きもいいところだけど……、乗っけてしまおう。うん。はい。にしてもパニクった文章しか書いてないというか書けないね自分は。とほほ…
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DATA
発売 / 開発 :Bizarre Creations / Microsoft Game Studios
登場時期 : 2005
ジャンル : ツインスティック全方位STG
機種 : Xbox360



~XBLAの覇者~
Geometry Wars: Retro Evolvedはプロジェクトゴッサムレーシング2に登場した初代(Retro)と、ビジュアルを大幅に超強化しドラッグトリップSTGへと変貌を遂げた(Evolved)の二つを収録したツインスティック全方位STGである。ツインスティックSTGというジャンルにそこまで馴染みが無い人もいるかと思うが、操作は単純で左スティックで自機の移動、右スティックで傾けた方向に射撃、これだけという極めてお手軽な操作形態で昔から一定の支持を得ているのである。例えばこのジャンルの偉大なる代表格である「ロボトロン2084」とか、皆殺しの狂気のビッグマネー・ビッグプライズ「スマッシュT.V.」とか。Geometry Wars: Retro Evolvedもこれらの作品と同様に大量の敵を倒しまくるシンプルで取っつきやすさを持ち、そして一度ハマったら抜け出せなくなるほどの中毒性を兼ね備え、見るべきものを圧倒させるビジュアル面で高い評価を得ている。XBLAにて長期にわたりヒットを遂げた作品でありXBLAの代表作とも言える存在であり「一箱一ジオメトリ」という格言も飛び出すほどの覇者である。今作が発売されたのはもう10年前(!)にもなるがその面白さは色あせることがない。

~撃って撃って撃ちまくれ!~
ゲーム内容としては残機が無くなるまで無限に湧き続ける敵を倒し続けるだけというものであり、そこには予想もつかない引き込まれるストーリーもカッコいいキャラクターたちも存在しない。ハッキリ言って中身はかなり地味なゲームだ。しかしなぜGeometry Wars: Retro Evolvedに魅了されるのだろうか?それはひとえに「STGの楽しみ」が凝縮された作りだからだ。
まず撃つ快楽。無限に湧き出してくる敵は一発即死なので倒すのも爽快感アリアリ。そしてものの2分もすれば敵の数はフィールドを覆い尽くすほどになりある種の敵幕を構成する。これをバシュバシュとバカスカ撃ち抜いていく爽快感は他のゲームでは味わえない。更に破壊描写。これこそが今作及びこのシリーズを傑作へと押し上げた要点である。敵を撃ち抜くと美しい光を放ち敵は消滅する。さながら花火を見ているような感覚に陥る。これが先の敵幕と組み合わさるとどのようになるのか?連鎖的に次々と爆散していく敵と宇宙に広がる無数の光、ワイヤーフレームの世界で光り輝くそれは圧倒的な視覚に訴える力を持って脳を揺さぶってくる。電子ドラッグという表現がぴったりだ。こうして文章にしてみると半分くらい何言ってるか分からない文章になってしまうが、言葉では表現し尽くせないものを無理やり表現しようとしても虚しくなるだけだ。それほどまでに今作のビジュアル表現は「美しく」「素晴らしく」「カッコよく」「スタイリッシュで」「That's Cooooooooooool!!!!!な」「エレガントで」「劇薬的な」「いやもうこりゃ降参ですわ」といったものなのだ。お分かりいただけただろうか。というか分かりなさい(命令)。思考停止してとにかく撃ちまくれ!さすれば道は開ける。
そんな感じで(どんな感じだ)撃つ快感はあるとして、避ける快感はどうかと言うと、こちらもかなりのものだ。今作の敵は弾を撃たないため確かに弾を避けると言う部分は他のSTGに比べると落ちるかもしれない。しかし多種多様の敵がゲームプレイを彩ってくれる。ただフラフラと漂うものからこちらをゆるく追尾するもの、こちらの弾を避けるものや破壊されると分裂するもの、へびのような姿をしたものからパックマンのような姿をするもの、攻撃を与えると場を歪めてくるブラックホールなんてものも存在している。これらが文字通り幕を作り襲い掛かってくる。これを一瞬の狂いもない繊細な左スティックの操作と瞬時の判断で右スティックを傾け捌いていく感覚は清く正しくSTGの姿だ。昔懐かしき狙い撃ちの間隔が残されているのもポイントが高いところだ。当たり判定が意外と大きいので敵と敵との間を潜り抜けるのにも緊張感が走り、だからこそ一時の安心を得られた時の快感は何物にも代えがたい。


……が、今作は極めてストイックな作りでありしたがって難易度もかなり高い。油断するとアッサリ死んでしまうかなりキツメの調整がなされている。かくいう自分も撃ちまくれ!とは言ったものの捌ききれずに「おわー!モウダメダ―!」という情けない悲鳴を上げて2万点なんてことを頻発させている。ランダム要素が強くパターン構築が難しいことも影響し真のゲーム力が求められる作りだ。そのためGeometry Wars: Retro Evolvedの快楽を味わう前に投げ出してしまう人もいるかもしれない。
しかし裏を返せば緊張感のある戦いを味わえるというもの。自分はこの電子の宇宙の海でただ自分が生きていることを確認したいだけ。実績なんぞ取得出来なくて結構!撃って撃って撃ちまくれ!撃てばわかるさ!
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2016年12月30日

今年のボツその1 てけてけ!アスミッくんワールド

今月の一本用に文章を書いてみたけどなんか上手くまとまらなかったというか、テンパった文章にしかならなかったので自戒の意を込めて、あと今年の膿を出すためにもここに残しときます。いつものことじゃねえかと言われたらまーそうなんだけどね。ああ救えない。
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DATA
発売 / 開発 :アスミック
登場時期 : 1989
ジャンル : 平安京エイリアン+ドルアーガの塔
機種 : GB


~名作+名作=迷作?~
アスミッくんワールドは一部の人にはおなじみ、それ以外の人には全く知られていない、いわば孤高の作品である。GBの初期も初期に発売されておきながら、そのあまりに人を突っぱねるかのような作りに面食らった人も多いのではないかと思われる。実際自分も初めて遊んでみて「こ、これは……」と絶句するほどであった。
ゲーム内容は全33ステージある塔を平安京エイリアンをやりながらドルアーガの塔を上る感じのゲームである。もう少し分かりやすく言うと、地面に埋められた次の階へ行くための鍵をノーヒントで掘り当てる、その間襲い掛かってくる敵を落とし穴を掘り生き埋めにして対処するゲームだ。平安京エイリアンはゲーム黎明期における記録的な傑作の一つであり複数のフォロー作を生んだ。ドルアーガの塔もゲーセン文化を語る上での一つの重要な作品であり記録的なゲームでもあろう。この二つは紛れもなく名作だ。ならばこの二つを上手いこと足し合わせてみたら……?という発想で生まれたかは分からないが、今作はその二つを足し合わせたかのようなゲームである。そして、仕様の違うゲームを足し合わせるのは難しかったのか、何とも言い難い珍妙な出来具合の作品に仕上がってしまった。子供はおろか大人ですら手を焼く、凶悪難度のアクションゲームとして……
しかしそれはあくまでアスミッくんワールドの表面的な部分でしかない。一つのまっとうなゲームとして評価するならアスミッくんワールドはどうしようもないレベルのゲームであるがその実態は正しくない。その理不尽さに耐え抜くことで、アスミッくんワールドに秘められた奥深いゲームデザインを垣間見ることが出来る。なんなら言ってしまおう。今作はGB初期における一つの隠れた傑作だと!

~リアルタイムに戦略パズル~
アスミッくんワールドは見た目から受け取れる面白さに欠け、それが故に時にはクソとすら言われることもある悲しきゲームである。そりゃそうだ。主人公であるアスミッくんの挙動は驚くほどに鈍足、穴を掘るスピードも鈍足、更にはカギの場所もノーヒント、こちらの都合を無視して平然と敵は襲い掛かってくる、ボスは超高速起動に加えて圧倒的火力で圧殺。こんなもん理不尽以外の何物でもない。
しかしめげずにプレイを続けることによって見えてくるものがある。今作攻略のキーになるのが「カギの初期配置は固定」という事実である。幸いにしてコンテニューは無限なのでカギの配置さえ覚えていけば攻略の方針が立つ。カギの発見に役立つのがアイテムの存在。埋まっているアイテムの位置を音で教えてくれるレーダーやカギの位置を指し示してくれるコンパスなどを使うことによってカギの位置は特定することが可能。また敵も地面を掘り起こしたりしていて、その時にカギやアイテムを掘り起こしそのままフラフラしていることもある。そいつらを穴に埋めカギを入手するのも一つの解法の手だ。このように「こんなだたっ広いところでカギなんて見つかるわけねーよ!作ったやつは何考えてるんだ!」と思われがちなカギノーヒントなデザインだが、むしろ「あそこにあるカギをどうとるか…?」「あのアイテムを取ってどう探していくか…」といったように戦略性の高いものになっているのだ。惜しむべきはこの点に気付く前に大半の人はブン投げそうな気がすることか……
また、カギを見つける戦略性に気付くとさらなる奥深さに気づくだろう。うねるようなステージ構造になっているのがアスミッくんワールドの特徴の一つではあるのだが、だからこそ先読みで敵を穴に埋めこんだりすることが容易なデザインになっている。穴を掘るのが遅いことは単純にデメリットではあるが、それ故に否が応にも戦略性は高まり高度なリアルタイム戦略パズルゲームをプレイしている気分になる。アイテムの確保、ゴールへ辿りつくまでの経路設計、敵への対処など考えることは非常に多く、我らがアスミッくんもポンコツな性能だがだからこそ恐ろしいほど緻密な解法を有するデザインに昇華されてしまっているのだ!こんなゲーム今まで無かった…
通常コースはこのように奥深いものを秘めていたが、ボス戦はどうか? こちらも一見すれば理不尽なものだろう。しかしこちらもアイテムの位置が固定であることを利用することにより優位に戦うことが可能である。自機のスピードを上げるローラースケートを掘り起こさなければまともに戦えないのは問題とも思えるが、しかしボス戦直後はボスがしばらく待っていてくれるという何とも紳士的な姿勢を見せつけてくれる。この隙にアイテムを確保して敵の攻撃を見切り戦うアツい内容になっている。ボス戦のアツさもかなりのものである。
また、操作体系にしても意外にもかなり考え抜かれたものである。GBというボタンが少ないハード上にて如何にその場方向転換を表現するか?という問いに最初期でありながら極めてスマートに破綻なく解法を導いた操作(穴掘り+十字キー)は意外と凄いと言えるのではないだろうか。細かいところではあるがかなり革新的な操作だ。

~てけてけなんてもんじゃない音のクオリティ~
そうは言っても理不尽に思われるような要素を持っていることは確かなことであり、自分自身もありもしない面白さを妄信しているだけかもしれない。しかし!こと音楽に関していえば声を大にしてオススメであると言おう! GB最初期でありながらハード特性を知り尽くしてるんじゃないか?とすら思えるそのてけてけした明るい曲調! 捨て曲が無い全曲ハイクオリティ仕様! 理不尽なゲーム内容に対して釣り合ってないとすら思えるその音楽性の高さはガチだ。音楽の良さは本物ということの証明として、知名度がアレなゲームの割になんとサントラまで登場してしまっている。アスミッくんワールドの音楽はCD化されるほど良いものということが当時から理解されていた、と言ってもいいだろう。ちなみにオススメはエリア3(ステージ17~23)とボス戦だ。エンディング曲も良し。この音楽のために買う価値のあるゲームであることは確かだ。幸いにして多くのゲーマーがこの面白さに気づかなかったのか中古屋に山積みされていることもある。君も今すぐにゲットだ! ついでにゲーム内容にもハマってくれるとこちらとしても幸いである(それでいいのか?

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2016年12月11日

今月の一本 いかちゃん(3DS版)

今月私がオススメするゲームは海産ゲーマー御用達のこの作品でございます。短い作品だと中々どうして、語ることは難しいねー。ダラダラ語った方がいいのか、それともピシッと決めた方がいいのか。ピシッと決まった試しなんて今まで一度もないけど……
ちなみに海産ゲーマーとは、ダライアスやスプラトゥーンのような海産物のゲームをこよなく愛するゲーマーである。規模は不明。たぶん今頃はACE OF SEAFOODとかをバリバリ遊んでいると思われる。
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DATA
発売 / 開発 :pikii(3DS)、開発室Pixel(Win) / 開発室Pixel
登場時期 : 1999(Win)/ 2016(3DS)
ジャンル : 箱庭アクションアドベンチャー
機種 : 3DS/Win
今回は3DS版をプレイ



~1時間、わずか1時間、されど1時間~
あの「洞窟物語」を作りだした開発室Pixelが、洞窟物語以前に作り上げたのが今作「いかちゃん」である。初期の作品にして、極めてゲームらしいゲームであり数多の要素が破綻なくまとまった奇跡のような作品である。
今作は、はっきり言ってしまえばこじんまりとまとまっているゲームである。自分が初見でクリアまでに要した時間は、1時間。2016年、3DSから出たゲームとしてみれば圧倒的に短く、フリーゲームであることを考慮してもやはり短い感じは否めない。しかし、その1時間の中にプレイヤーをゲームから離れさせない要素をこれでもかと詰め込んだ、驚異的な作品である。僅か1時間で終わってしまうこのゲームが、一体何故ここまでプレイヤーを強烈に惹き付けるのか。その答えはプレイしたものだけが知っている……

~あなたは、神秘の海を漂う…~
今作のジャンルは箱庭タイプのフィールドを彷徨うアクションアドベンチャーゲーム。経験値でのレベルアップやゲームの特性からアドベンチャーRPGと言ってもいいかもしれない。記憶を失った主人公であるいかちゃんは海の底で目を覚まし、海の底を漂いまくりという感じだ。
今作の評価の高いところといえばやはりその空気感ということになるだろう。全て可愛らしく綺麗なドット絵で描かれた幻想的な海の底、可愛らしく生き生きとしたキャラクター達、優しくそしてどこか物寂しい物語とテキスト、それらをこれでもかというほど引き立たせる音楽…。全ての要素が高水準でまとまっていて他にはない魅力を出していて「いかちゃん」の世界を構成している。実際プレイ終盤で「まだ、このゲームを終わらせたくない。もう少しだけこの世界に居たい」と思ったほどだ。そう思わせてくれるほどのゲームは意外と少ない。
空気感が良いということは、逆に言えばそこだけが突出したゲームと見られてしまうかもしれないが、いかちゃんはゲームとしての核の部分も濃密だ。まずは操作性。ぷくぷくと可愛らしく泡を出して斜め上にぴょこんと移動というかなり独特な感覚ではあるが、これが中々「イカらしさ」を上手く表現できている。初めは慣れないものだが、次第にうまく操作できるようになると海を漂っているだけでもどこか楽しくなる。動かしているだけでも楽しいという、ゲームの肝をしっかりと押さえている。次にマップデザイン。1時間で終わる内容ということでフィールドはそこまで広くはないが、広大な世界に思わせてくれる構図が凄い。うねるように構成された海の底の海底洞窟は自分が広大な世界にいると錯覚させられるほどだ。NPCやギミックの配置や構図も上手く「あの先に何かあるんじゃないか?」「もっと漂いたい」などと強く思わせてくれる。アドベンチャーとしてのフラグ立ての妙と、アクションとしての敵配置や挙動のバランスも極めて良好。難しいな、と思ったら探索してレベル上げしてから先へという流れも自然に取り込んでいるのが上手い。本当に丁寧で優しいゲームだ。シナリオも秀逸。長いゲームには長いゲームなりの、短いゲームには短いゲームなりの物語が求められるものだが、「いかちゃん」のそれは極めて濃密。個性が溢れ出ているキャラと、崩壊の迫る世界をシンプルに、だが丁寧に描いている。ゲームの流れと上手くかみ合った展開も非常に素晴らしいところだ。

元々フリーの、しかも10年以上も昔の作品であるから、ちょっと物足りないなと思う所は確かにあるかもしれない。しかし、短時間で濃密なプレイ体験が出来るのは計り知れないほどメリットが大きい。そして、そのあまりにもステキな世界は手元に残しておきたいと思うほどのゲームである。それが携帯機で持ち運んでいつでもできるのだから、これほど嬉しいことも無い。これ以上何を望む必要があるだろうか?
「いかちゃん」は、失ってしまった何かを取り戻させてくれる、短い時間で極上のゲーム体験が出来るこの上ない傑作ゲームである。これをプレイして泣け!
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2016年11月08日

今月の一本 VVVVVV(日本版)

今月のオススメゲームはこいつです。これが500円ってのも流通のゆがみなんだかいい時代なんだかよく分からないね……
それはそうと今回から一応カテゴリを設けてみることにした。というかいったんカテゴリの見直しとかやった方がいいのかねー。自分で備忘録的に使うときは雑記に放り投げでも困ってはいないんだけど……
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DATA
発売 / 開発 :pikii / Nicalis、Terry Cavanagh
登場時期 : 2016
ジャンル : 2D即死系アクション
機種 : 3DS



~おなまえなんてーの?~
VVVVVVはTerry Cavanaghが制作した2D即死アクションゲームである。海外のインディー界にその名を轟かせ、日本でも知る人ぞ知る著名なインディーゲームと言っていい作品である。有りそうでなかった重力反転を利用したシンプルなアクションとレトロゲームを意識したグラフィックと音楽、そしてトゲの脅威を混在させ高い次元でまとめ上げた偉大なる傑作である。
VVVVVVが優れたゲームであるのは明白な事実ではあったのだが、こと一つだけ敷居を高める要素があるとすれば言語の問題であった。確かに単純なアクションゲームであり、文字が理解出来なくても楽しめるものではあった。しかし登場人物たちの会話やステージ名を理解出来なくてはその面白さを全てを理解出来ない。これはしがないゲーオタには由々しき事態である。
この事態により大流行りしていたりサントラがめちゃんこ良かったりしていて好評を聞いてはいたものの自分は見逃していたが、時も2016年、実に登場から5年強過ぎてしまったが遂にローカライズされ国内に躍り出ることになった。ローカライズ担当のPikiiによるその徹底したローカライズはまさしく究極的なものであり、遂にVVVVVVの全てを楽しめるときが来たのだ!
ちなみにゲーム界屈指の難読タイトルの今作であるが、海外では「シックスブイズ」と呼ばれているし日本でもチラホラそう呼ばれ始めているのでここでも倣わせて頂きます。でも好きなように呼べばいいと思うよ(俺が決めることじゃないけど……

~VVVVVVery exciting! and VVVVVVery hard!~
VVVVVVを知らない人のためにもかいつまんで今作の内容を説明しよう……といっても、まあ所謂死にゲーである。そりゃもう、見ればわかる。至る所にちりばめられたトゲ、トゲ、トゲ。あそこにもトゲ、トゲ、トゲ。どこを見渡してもトゲ、トゲ、トゲ。もちろん触れれば即死。こうした極限状況の中を潜り抜ける、由緒正しき死にゲーである。レトロを意識したグラフィックにサウンド周りも特徴で死にゲーの基本を押さえていると言っても良い。非常に統一感のある、シンプルなデザインが特徴的だ。
今作独自のアクションは「重力操作」である。このゲームはジャンプが存在しない。しかし空中制御によりトゲを回避することを要求される。んじゃあどうやって宙を駆け巡るのよ、という解が、コレ。通常重力は下にかかっているが、ボタンを一押しすると重力の向きが上になる。これにより上方向へ主人公はすっ飛んでいく。そして天井へ張り付く。この「空へ落ちる感」は2Dではあるものの「GRAVITY DAZE」のような「落ちる」楽しさがある。なるほど。初めは「ジャンプじゃねーのかよ!そんなん死にゲーでは扱いにくくない?」なんて思ってはいたものの、本編をクリアした今ではこれほどハマっている操作系は無いとすら思える。ボタン一つで空中かっとび!トゲとトゲの間を縫うように動き超速でステージを駆け巡る快感!これこそがVVVVVVの醍醐味だ。
そう、VVVVVVの魅力はこのスピード感だ。今作は死にゲー屈指のテンポの良さを誇っている。全体的なゲームスピードが速く、加えて主人公の移動速度も高速。そのため死ぬ速度も超速だったりする。復活したと思ったらその2秒後には死んでいるなんてのは日常茶飯事。しかしチェックポイントが至る所に設置されているから安心&復活も高速で即座に難所に挑むことが出来る。高速で宙を舞い高速であの世へ旅立ち高速で復活して高速でトゲを潜り抜け高速で敵の動きを見切り高速で死に高速で蘇り高速で次の部屋へ向かう。この高速感こそがVVVVVVの肝だ。無駄なものを一切取り除いたその純度は極めて高く、その中身は驚くほどに過激過剰。次々と針の穴に糸を通すような極限状態の死闘が次から次へと襲い掛かってくる。しかし不思議と理不尽さは無い。それはやはりゲームバランス、レベルデザインの組み立てが上手いからであろう。チェックポイントが多く置かれていることもさることながら、過度なゲームスキル反射神経精密動作を要求される場面は少ない。やり込み要素のアイテム収集を考えなければその難易度はじっくり挑めば必ず道が見えるレベルの物であろう。そして今作の再プレイ性は超スピードの影響により非常に高い。そのため一度や二度の失敗で諦めることなく「クソッ!次こそは!」と闘志を燃やして挑戦することがやりやすい。シンプルながらもアツいプレイが楽しめるのはやはり練りに練り込まれたこのバランス調整の良さにある。一歩間違えれば理不尽ゲー一直線にもなりかねないこのジャンルでこのレベルのものをよく作ってきたな!と感服するほどだ。
加えて評価の高いポイントがそのステージのバリエーションだ。今作はワールドマップからいくらかのエリアに別れたステージを自由に探索攻略していく、いわば軽いメトロイドヴァニアのような作品でもあるのだが、各エリアごとに特徴的な仕掛けが登場するような設定になっている。ギミックとしては触れると強制的に重力の向きを変えるワイヤー、移動する床と天井、更には上下左右が繋がる擬似固定画面アクションとなるステージもあり、これらが複合されたものも無論登場し終盤はこれらをふんだんに使った凶悪なステージが待ち受ける。また、各エリアクリア後に独自のルールで挑むステージの存在もあり、中にはワイヤーを上手く利用したミニゲーム(グラビトロン)までも登場する。次から次へと新たなギミック、新たなルールでの戦いが続く過激なゲームではあるがその分一瞬たりとも飽きさせない。ジェットコースターのような疾走感のまま突き進む、キレのあるバランス構成だ。
また死闘激闘を彩り支えてくれるのが、ちょっとだけ先述したサウンドの良さだ。Magnus Palsson氏(正しくはPalssonのaの上に○)によるレトロを意識して作られた音楽はまさに圧巻の一言。死にゲーにおいて音楽は非常に重要であるのはご存知の通り。音楽という潤滑油が無ければ気の遠くなるような死闘も楽しく乗り切ることは出来ず、また音楽が優れているからこそどんなに難しくても挑んでみようと思わせるものなのである。その点VVVVVVの音楽は聴いた瞬間一発合格。他にはない独自性を保ちつつもどこか懐かしいあの古き良き死にゲーが多かった時代を彷彿とさせるような音色と耳に残り思わず歌いだしてしまうようなキャッチーなメロディ。全曲捨て曲がないとまで言えるほどの完成度の高さだ。特に「Positive Force」のインパクトの高さは特筆すべきだろう。ラストステージなど極めて印象的な場面で流れるこの楽曲は、VVVVVVの代名詞と言っても過言ではないほどのインパクトを持ちその驚異的なステージの数々を彩り衝撃を強めてくれる。音楽面を取ってみてもVVVVVVは至極の一品だ。
ここまで褒めちぎってしまったが、そうは言っても超難易度のゲームなだけにやはり人を選ぶ感は否めない。理不尽な思いを胸にして途方に暮れることもあろう。しかし、1ミリの狂いもない操作と0.1秒の狂いの無い判断を繰り返し、超速でステージを駆け巡りそして死にすぐさま復活する、これを繰り返していくうちに次第にある高みへと到達することが出来る。そしてその高みへと到達したとき、難所を突破しこの世のものとも思えぬ快感を享受することが出来るゲームであることも事実だ。自分で試行錯誤して何かを掴みとったような感覚、何かを成し遂げたというこの感覚に勝てるものなどあるのだろうか。VVVVVVは死にゲーとしてのゲームとして正しき姿の作品だ。苦行のような道のりの果てに確かに手に残る何かを掴み取りたい人は手に取ってみてはいかがだろうか。

~独自要素がアツい!3DS版の魅力~
……とここまで全く物語部分とローカライズに触れぬままVVVVVVの紹介をしてしまったが本題はこっちだ!なぜ今更VVVVVVを取り上げるに至ったかと言えばそれはひとえにこのローカライズの部分に他ならない。なんてたってこれでようやく本作の物語とかが理解できるようになったのだから。
今作の物語は「宇宙船の事故で異次元に飛ばされたヴィリジアン船長と5人のクルーたち。プレイヤーはヴィリジアン船長となって、今にも崩壊しそうな次元の原因を探りながらはぐれてしまったクルーたちを探しだせ!」といったものである。よくある話、と言えばそうなのかもしれないがその物語の質は非常に高いものだ。それは個性あふれるキャラクターのおかげといってもいいだろう。船長含め6人のV達は見た目こそクリソツだが喋り方や性格などが短い会話文からにじみ出ていて強烈な個性を生み出している。どのキャラも魅力的で、助け出したくなること間違いなしだ。死にゲーは基本的にその阿鼻叫喚の難易度のみが取り出されがちな印象があり、物語性などの部分は希薄に感じられてしまうものがあるのが難点と言えば難点ではあった。今作はプレイ時間としては約3時間ほどでクリア出来るもので、重厚で長い物語ではないことは確かな事実だ。しかし、今作の物語はプレイ中飽きさせない圧倒的な濃密さを誇る。ストーリーは長ければいいというものではない。そういう意味ではグイグイと引き込まれ短い間に強烈な体験とともに刻み込まれる良質な物語は一発合格物だろう。
このように魅力的な物語も確かに今作の味ではあるが、今作の真価はそこではない。ローカライズの本気がうかがえるのはフロア名だろう。今作、各エリアのステージは多数の部屋から構成されているのだが、その部屋には部屋名が付けられており、そしてこの部屋名こそが今作を傑作へと押し上げた要因の一つだ。名は体を表すと言う。今作以上にそれを表現できているゲームはほとんど無いように思える。部屋名は全体的にセンスの良い洒落ていながらもノリが軽妙なものに仕上がっているのだが、恐ろしいほどにこちらの感じた感情、心理を突きに突きまくったかのような名前が多いのだ。例を挙げれば―「トラック センタク」と付けられた部屋に二つの分岐点、どっちを行くかで運命が決まるッ!というテンションで分岐を選択すると次の部屋では「ソノ センタク……オキノドクニ」という部屋名とともに地獄のような難しさ、そしてもう一方の方は意外と簡単そう……あの時あっちを選んでいれば…ッ!―といったようなことがしょっちゅう起こる。だんだんトゲのギミックよりも部屋名の方に注目が行き、ちょっとした息抜きと楽しみになってしまう。地獄絵図を楽しいものに変えてしまう。その変え方とセンスの良さには驚くばかりだ。特に秀逸だと思ったのが、「アエテ カコクナ ミチヲ イケ」にあるトリンケットを取るために苦労することになる一連の部屋。その難易度はまさに恐悦至極で何度も投げたくなるところだが、そうしたこちらの心理を読んだ「ナミダノ アジハ… ウマイ!」という部屋や「イージーモード カイジョ」という部屋の存在がまたクスリと笑わせてくれる。このような気の利いた部屋名が無ければ速攻でブン投げていたことだろう。このハイセンスな部屋名こそが今作の味であると思う。本編ラストの部屋名は今作屈指の何かこみあげてくるものがある、感動的な場面の一つだ。
今作のローカライズは非常に張り切りまくっていて、このような会話や部屋名に至るまで徹底した日本語化が行われているが、そこだけにとどまらないある種徹底しすぎたローカライズも魅力の一つだ。代表例としては序盤に登場する「ザ・イエスマン」であろう。その衝撃的な見た目から「そんなところまでローカライズするの……」と思ってしまうこと間違いなし。しかしやりすぎで何が悪い!こうしたやりすぎな遊び心も残されているのが愉快なところだ。
また、3DS版の恐るべきところは本編以外にも海外ゲームデベロッパーによってデザインされた追加レベルが収録されていることだ。この追加レベルも極めて良く出来ている上に、完全日本語化に対応。本編と対比して悪乗りが進んだぶっ飛んだストーリーや部屋名を心行くまで堪能することが出来る。追加レベルの種類はなんと18。更に本編と遜色のないボリュームを誇るものすら存在している。本編が終わっても長く楽しむことが出来る。

まとめるとこうだ。3DS版VVVVVVは元々ただでさえ完成度が高かった即死アクションを徹底的にローカライズし、更に完成度を増した3DS至高の死にゲーである。今からでも遊ぶのは全然遅くはない。VVVVVVはいつでもあなたの挑戦を待っている。
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※補足
3DS版にも問題が皆無ってなわけでも無く、本編クリア後トリンケット絡みでの強制終了バグが残っています。これで本編の面白さにケチがつくってほどのもんでもありませんが、注意すべし。パッチの登場が待たれますな……

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2016年10月25日

今月の一本 SF特攻空母ベルーガ(16bit版)

今月2本目はこれでござんす。それはそうとX68kとかPC6001とか触れた世代でも何でもないのにこれを取り上げてしまっていいんだろうか……。すっげー不安。かなり飛ばした文章と言うか、書いてる人の頭が飛んでるようなこと書いてるし……
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DATA
発売 / 開発 :セガ / M2、ゲームのるつぼ
登場時期 : 2015(PSVITA)/2016(Win)
ジャンル : 横スクロールSTG
機種 : PSVITA/Win
今回はPSVITA版をプレイ



~伝説のゲーム~
あくまで個人的な話だが自分は伝説のゲームやら神ゲーやらという異名の付くゲームが苦手だった。ゲーム自体は好きだけれども、そういった枕詞が付けばつくほどにゲーム自身が持つ凄みが失われていくような錯覚に陥り、安っぽいありふれたものに感じられてしまうからだ。そして勝手に祭り上げられていく様を見るのも、あまり好きではなかった。誰しもが崇め奉る、何故そのゲームが面白いのかということに「伝説のゲームだから」「神ゲーだから」なんて言われるゲームを見るだけで顔をゆがめてその場から逃げ出したくなるほどだった。
……しかし、そういった安っぽい言葉とも世間の祭り上げとも無関係なところに、確かに伝説は存在する。確かな面白さと革新的なシステムを搭載した、真に「伝説のゲーム」と呼ばれるべき作品は存在する。その答えが知りたければ「龍が如く0 基本無料アプリ for PlayStationR Vita」に収録されている「SF特攻空母ベルーガ(16bit版)」を遊んで来い!

~やりたいことをやってやったぜ!~
歴史の話から始めよう。松島徹という数々の偉業を成し遂げたゲームクリエイターがいた。氏はPC-6001に「タイニーゼビウス」や「スペースハリアー」を移植し不可能を可能にして見せた、まさに伝説と呼ぶに足るクリエイターであった。そんな氏がPC-6001の架空マシン上で動くWin用ゲーム「特攻空母ベルーガmkII」を2007年に送り出した。そしてそれは、レトロなデザインの中に革新的なシステムを採用した、まさしく一つの事件とも言うべき完成度を誇った傑作であった。
……そんなゲームがなぜ「龍が如く0 基本無料アプリ for PlayStationR Vita」にリメイクされ龍が如くともセガとも無縁そうなのに入ることになったのか?んなもんやりたかったからに決まってるじゃねえか!「龍が如く0 誓いの場所」のメインプログラマーであるI氏はこう語っている。
『(中略)
実は今でも、当時のPC-6001ユーザーは精力的に活動していて、私もよくオフ会などには参加させてもらっているのですが、そこで「ベルーガ16ビット版」を見せてもらう機会がありました。 とても趣味で作ったとは思えないクオリティーで、しかもあの松島さんが直接プログラムされていると聞き、これをなんとか世に出すということが、私のゲームクリエイター人生の目標の一つとなりました。』
見よ!一人のプログラマーにクリエイター人生の目標であり夢と語られるだけの力を、ベルーガは持っているのだ!そしてこの話に乗ることになったM2、ゲームのるつぼもとい松島徹氏により「SF特攻空母ベルーガ」はVitaへと馳せ参じることになった。

~懐かしくも全く新しいSTG~
さて、今作の特徴を説明しよう……といってもあれだ。パッとした見た目は昔懐かしの末期メガドラSTGともいう感じで特に語ることも無い。レトロ万歳。昔は良かった。完。
……それで完結するようなゲームだったらわざわざここで取り上げることもねえぜ!なんなら断言しよう。特攻空母ベルーガはVitaSTG史上最も革新的なシステムを採用した作品である、と。
今作の特徴は1ボタンで6つの武器を使いこなす操作性にある。自機には「ショット・レーザー・対空ミサイル・対地ミサイル・ボム・アームパンチ」が搭載されておりこれを瞬時にその状況に合わせて使いこなすのが特徴だ。まずたった一つのボタンでこれら6つの武器を破綻なく使える操作性が凄まじい。並大抵のゲームには絶対に出来ないことだ。武器の切り替えも非常に快適に行うことの出来るこの操作形態はもはや革新的ですらあるだろう。そして、この操作を思う存分に使わせるステージ構造が素晴らしい。思うがままに撃ちまくるだけでは苦戦を強いられる歯ごたえのあるバランスだが、要所要所でその状況に合う武器を使いこなすことで自然に突破できるバランスに仕上がっているのが上手いところだ。例を挙げると、炎の雨が降ってくる3面では空中で思うがまま撃っていても苦戦するだけだが、ここで対空ミサイルの存在に極めて自然に気付けるよう仕込まれている。対空ミサイルを使えば炎の雨は怖くない。4面では逆に地上から敵がワラワラと迫りくる。ここで対地ミサイルやボムの有効性に気付けるわけだ。非常に無駄が無く、その特異な操作形態を余すことなく使えるようステージは練りに練り込まれている。まさしく職人の技というのを体感できる。また、良くできたSTGの例に漏れず今作は稼ぎへの請求がかなり高い。適当にプレイするだけでは見えにくいスコア稼ぎの要素も、武器の使いこなしやギミックへの着目によりその奥深さを知ることが出来る。また、稼げば稼ぐほどクリアに近づくようなゲームバランスであり、極端なランクバランスでは無いことが特徴だ。今作の難易度はアーケードSTGのように地獄の一丁目の如く脅されるようなものではなく、家庭用上がりの風味に仕上がっている。つまりは、誰にでもクリアの可能性が開かれた良心的なバランス調整であるということだ。残機を溜め込み終盤を死にながら突破するバランスは往年の名作「ザナック」を彷彿とさせる。初心者から上級者まで飽きさせないバランスだ。また、ステージごとに小ミッションのような演出があるのも見逃せない。敵に捕らわれた味方を助け出すものや、巨大な敵をブッ倒すものまで様々で、非常にゲームを盛り上げるアクセントになっている。それらの要素も適度な濃さであるのがまた良いところだ。
さて、今作はもろに16bitなゲームなわけだが眼下で繰り広げられるそれは懐かしいだけなのかと言うとそれはもう全然違う。むしろ今だからこそ出来る驚異的な映像演出が仕込まれていると言ってもいいだろう。全体的なゲームの仕様は当時のハードスペックに合わせて作られているので、それを逸脱しないレベルではあるが、それでも今見てもなお鑑賞に耐えうる映像が作れているのはもはや褒め讃えるしかないだろう。見た目こそ末期メガドラ的ではあるが、背景、敵、地形ギミックに対する細部への書き込み量、そして爆破に対するこだわりは凄まじいレベルであり、非常に美しいものだ。そして今作を象徴するのが、敵基地爆破のシーンであろう。これこそがベルーガを代表する名シーンであり! これを見るためだけにベルーガを買っても全く後悔しないほどの衝撃映像なのだ! ヤケクソ気味に過剰な爆発描写が次々と表示され! 次の瞬間巨大なキノコ雲が堂々とその姿を現し! 多重にスクロールしまくり! ラスタースクロールが踊り狂うそれは! VITA史上最も美しいと言っても過言ではないほどの爆発描写であり! 全ての爆破系STGが追求し続けた完全なる爆発がそこには存在しているのだ! これを見なければVITAを買った意味はないとすら言えよう!
……なんだか無駄にアツくなってしまったがこれは筆者の頭がSTGのやりすぎでラリパッパな状態になっているからそう感じたわけではなく、心からそう思うのだ。ハード末期におけるハードの限界を超えるかのような表現がそこには確かに存在していて、それは確かにハードの制約を意識して作られたものだ。VITAの性能なら、ハッキリ言ってもっと過剰な爆破表現も出来るはずだ。しかし、あくまで16bitの、あの頃のハードの限界に挑むような魂がその爆破描写には宿っている。これは過去のハードを知り尽くしたメーカーでないと絶対に出来ないような妙技だ。移植技術に精通するM2及びゲームのるつぼだからこそ出来た演出であり、だからこそここまで心惹かれる何かがあの爆発にはあるのだろう。こんなのは他のどこのメーカーにもできやしない。彼らだからこそできた技だ。
確かに見た目こそ昔的で、現代の現実と見間違うほどのグラフィックと比べてしまうと古臭いものに見えてしまうかもしれない。しかしそこに込められた熱意、魂は紛れもなく純粋で本物だ。グラフィック、レベルデザイン、ゲームデザイン、サウンド、演出、全てにおいて一級品の今作はまさしく至極の16bitSTGである!! あの頃を思い出すために! そして現代にあの頃が確かに存在していることを知るために! 今こそ特攻せよ!ベルーガ!

~原型もアツい!特攻空母ベルーガPC-6001版~
「SF特攻空母ベルーガ(16bit版)」の原型でもある「特攻空母ベルーガmkII」は2007年に突如として登場したPC-6001を想定した架空マシンで動くWin用ゲームソフトであり現在もフリーで遊ぶことが出来ちゃうのだがこれもまた素晴らしく、まさしく生きる伝説と呼ぶのにふさわしいゲームであった。というか実際にPC6001に移植されちゃうあたりマジで伝説的ソフトなのだが……
今作の時点でベルーガの肝でもあった一つのボタンで多数の武器を使いこなす操作性は完成されているのが恐ろしいところである。16bit版と比べるとバランスが少し熾烈気味ではあるがそれでもやり込めばやり込むほどに先へ進める丁寧なバランス調整は健在だ。グラフィックの書き込みも驚異的なレベルでありまさしくあの頃がそこに広がっているとしか表現できないであろう。しかしプレイ感覚はまさに現代のSTGってところがまた、面白いところである。
そしてベルーガと言えばやはり爆散演出。今作から既にそのヤケクソ気味の過剰演出は確立されているといってもいいだろう。敵基地防御システムのコアをパンチングアタック! 特攻するベルーガ! 広がるキノコ雲! キャーステキー!
……一体どれだけの人がついてきているか不安になるがこうしたように過剰とも言える演出の数々が懐かしくも新しい体験を届けてくれる。興味がある方はプレイしてみると良いだろう。
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