2016年10月11日

今月の一本 伝説を呼ぶ オマケの都ショックガーン!

今月の一本10月分はこれだビッチ!というわけで4本目の紹介文でございまする。
しかしクレヨンしんちゃんのゲームこれしか知らんから過去との比較ができんのがなあ。むー。うーん。
どうでもいいけどもうちょい増えたらカテゴリ増やしたりなんなりした方がいいのかな。

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DATA
発売 / 開発 :バンプレスト / インティ・クリエイツ、ナツメ(開発協力)
登場時期 : 2006
ジャンル : コスプレフレンドアクション
機種 : GBA


~開発会社に目を向ける~
世の中には海千山千のゲームが存在しているが、その中でもキャラゲーと言うのは厄介な存在だ。キャラ人気にあやかった怪しい出来の凡庸な凡作であればまだマシで、吐き気を催す邪悪のようなゲームすら存在する。
そんな手を出すのが危険なキャラゲーだが、無論ゲーム部分がしっかりと出来ている作品であれば十分な傑作となる。ではゲーム部分をしっかりした作品を見つけるには?ということになる。一つは見た目からの判断。しかしこれには見掛け倒しという落とし穴もある。ここで注目すべきは開発元だ。ここが信頼のおける、つまりは良作出しまくりでここのゲーム買っとけば損はしないッ!なんて会社ならそのキャラゲーはもうアタリのようなもんだろう。
そこで今作「クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶ オマケの都ショックガーン!」の開発会社に目を向けよう。開発を務めたインティ・クリエイツは!あの伝説の超スピード特攻電波アクションである「可変走攻ガンバイク」でセンセーショナルなデビューを果たし!開発協力のナツメ(現ナツメアタリ)は!狂気の電波バカゲー「東方見文録」で鮮烈なデビューを果たしたところなのである!!
ゴメン今の忘れて。
冗談はさておき、インティクリエイツと言えば泣く子も黙る2Dアクションゲームの製作に秀でた会社で「ロックマンゼロ」をはじめ「ロックマン」関連作でその名をとどろかせる優良開発会社である。そしてナツメと言えば細かいところまで作り込む下請け会社として、マニアから絶大な支持を集める会社である。そんな2社が力を合わせてキャラゲーを作ったら!そりゃあマッスルドッキング並のゲームが出来あがるに決まってるじゃないか(なぜキン肉マン?)!かくしてショックガーンは約束されし優良ゲーとして期待され、その期待を上回る出来栄えを見せつけ真の万人向けキャラゲーとはかくあるべしというのを見せつけ、GBA屈指の2Dアクションの傑作として躍り出ることになった。

~衝撃演出がめじおろし、ダゾ~
「このゲームには、ばくしょうシーンやおバカなひょうげんがふくまれているゾ」
ゲームを始めて一番最初に表示される文章、及びボイスがこれだ。よくある注意書きを逆手に取った逆転の発想、及びお笑いの禁じ手(前振り段階で面白いことやると宣言すること)をも取り込んだその文章としんのすけのボイスに唖然とした。数多くのバカゲーを見ても、自ら「俺、面白いでしょ」と言いだすゲームは中々無かったように思える。それをいとも簡単にやってのけたその度胸に圧倒されてしまった。
プレイしてまず誰しも驚くのは、このゲームがほぼフルボイスだということだろう。アニメ版クレヨンしんちゃんの声でキャラが喋りまくる。ストーリーパートだけでなくゲーム中も声が多用される。今作がGBAであることを考慮すればその凄さが分かるであろう。ボイスを使用する場合音楽面が割を食われるが、音楽もしっかりとしているのが非常にポイント高いところだ。細かいところだが技術力が光る調整となっているだろう。エンディングでのまさかのボーカル付きのテーマ曲はまさしく必聴ものだ。
そして本当に圧倒されることになったのはそのゲーム演出であった。クレヨンしんちゃんを題材にとり食玩のテーマパークであるショックガーンにて2Dアクションステージを攻略して人々をお助けするのが簡単なゲーム内容だが、この2Dアクションステージの作り込みが物凄い。アニメ調でしんちゃんの世界観が再現されていることもさることながら、アクションゲームとして見ていて飽きないような配慮が徹底的になされているのだ。驚くべきは似た構造のステージが一つもない。そしてその上で道中もボスもぶっ飛んでいる。丸太を次々とジャンプしながら先を目指すステージや、ペットボトルロケットを次々と飛び移りながら上へスクロールするステージ、巨大鯨の体内を冒険するステージ、風に乗って風車の羽の間をすり抜けるステージなどなど、見るたびに「なんだこれは!」と声を上げざるを得ない構造の目白押しである。ペットボトルロケットのシーンでは思わず魂斗羅スピリッツのミサイル渡りが頭をよぎるほど、見ていて楽しくなるそれは愉快で痛快なものだ。ここにしんちゃんの世界観が合わさるのだからこれで笑わない方がおかしいとも言えるだろう。ステージ以上にビックリするのがボス。その衝撃的な強さと恐るべき見た目によりこちらの腹筋とメンタルを徹底的に破壊してくる。例を挙げればみさえはねぶたに扮して登場し、げんこつを繰り出してくる。ひろしはマンモスに扮して登場し、靴下の臭いを嗅がせて来る。その姿はまさにインパクト大。「なんじゃあありゃあ!」と声を荒げその強さに悶絶することになるだろう。
そのド派手な演出に合わせてか、難易度も年齢層に対してピリ辛で厳しめな高さではあるが、その窮地を救ってくれるのが「お助けカード」である。しんちゃんの仲間たち(登場人物)が体を張ってお助けしてくれるのだが、ただ単に役に立つだけでなくこの演出も驚くほどに凄い。まさかの一枚絵まで用意されているネネちゃんの慰謝料請求、ジュリアナテクノの音楽とともに颯爽と登場しセンスをまき散らすまつざかせんせい、全く意味はないがバカップルっぷりは伝わってくるミッチー&ヨシリンなどなど個性あふれる面々が原作のイメージを損なわない形でお助けしてくれる。この原作のイメージを損なわないというのが非常に重要で、キャラに与えられた役割をしっかりと理解して作られている印象を受ける。キャラゲーとしての愛を随所から感じる作りだ。
そのおバカ演出の数々を楽しむために、アクション動作はストレスを感じることのない作りになっているのも非常にポイントが高い。主人公しんちゃんの動きは全ての動作が小気味良いことが特徴でゲームテンポは極めてサクサク。それでいながらアクションゲームとしての歯ごたえはしっかりと残っており再プレイしやすい作りになっている。この辺はロックマンゼロシリーズでこなれたインティだからこそのバランスとも言えるだろう。難易度は多少厳しいものがあるが前述したようにお助けカードを積極的に使う、金さえ払えば絶妙のお助けをしえくれるぶりぶりざえもんを利用するなど救済措置を積極的に使えば誰でもクリアにたどり着けるようなバランスだろう。子供に対しても手を抜かない、しかしながらクリア出来るような配慮はする。こんな職人的なバランスがなされたゲームは中々無い。見た目はおバカそのものだがその手触りは優しさに満ち溢れている。そこもまた、しんちゃんらしいところだ。

~お話も手を抜かないゾ~
しんちゃんと言えば話が良く出来ていることを印象に持っている人もいるだろう。映画版のモーレツ大人帝国の逆襲やアッパレ戦国大合戦とかは特に有名だ。そして今作にもその色は強く残っているとも言えるだろう。今作にはアニメ版クレヨンしんちゃんの監督である「ムトウ ユージ」氏が監督・脚本・キャラクターデザインとして関わっているのだ。なるほど、確かにクレヨンしんちゃんらしさが非常に溢れていると感じたが、監督自らが関わっているのならそれもうなずける。
話の内容としては食玩のテーマパーク「ショックガーン」に大人たちが虜になってしまったのでカスカベ防衛隊が立ち上がり大人たちをお助けする、というものである。しんちゃんらしくギャグを挟みながらの展開で笑いが止まらないのもあるが、その一方で中々に考えさせる作品とも言えるだろう。終盤に展開されるフィギュア魔人たちの言葉には非常に考えさせられるものを感じ、単に笑えるゲームと言うだけでないものを感じた。子供だけでなく大人も物語面で楽しめると言えるだろう。
先にも述べたがこのゲームはほぼフルボイスである。そのため今作の物語は文章を読んでも、耳で聞いても楽しめるものになっている。しかもボイスはアニメ版と同じであるので非常に頭の中に入ってきやすい。キャラゲーとしての話の完成度の高さ、質の良さ、そのお話の伝え方などどの観点から見ても良くできたものになっている。ゲーム部分は極めてゲームゲームしており、物語部分はまるで一本のしんちゃんのアニメを見ているかのよう。この二つを上手く溶け込ませたインティクリエイツはやはり只者ではない。
このようにショックガーンは子供だけでなく大人だけでなくゲーマー層までをも満足させる作品なのである。GBAの最末期のその凄さを、ぜひ一度実際に遊んで体感してもらいたいものだ。


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2016年09月20日

今月の一本 Crypt of the NecroDancer

予想だに出来なかった3回目に突入した今月の一本。そしてまさかの2本目である。いやー本来はシルバニアでお茶を濁す予定だったんだけどあまりにもこのゲームが面白すぎてねえ……。こうした駄文を書き散らす次第になったわけである。ネクロダンサーが面白すぎるのが悪い。素晴らしいゲームだった。
しかし残念なのが自力ではクリア出来ない部分があったことか……。こんな状態で紹介文とか書いていいもんだろうか。まあもう書いちゃったんだから仕方ねえケド。
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DATA
発売 / 開発 :スパイク・チュンソフト(日本) / Brace Yourself Games
登場時期 : 2015(Win,OS X, Linux)/2016(PS4,PSVITA,iOS)
ジャンル : ローグライクリズムアクション
機種 : PS4/PSVITA/Win/OS X/Linux/iOS
今回はVITA版をプレイ



~ローグ&音ゲー その斬新な組み合わせ~
アイデア発想法の中には「既存のものを組み合わせる」なんてことは定番と言えば定番である。いやもうそりゃまったくもってその通り。しかし現実は往々にして無慈悲であり破綻なく組み立てられているものは少なく、アイデア先行型の悪魔合体、合体事故の如きゲームもよくあった。
初めてその存在を知った時は期待よりも不安が走った。「これは大丈夫なのか?」と。ローグライクゲームと言えば「トルネコ」「シレン」に該当される「不思議のダンジョン」系ゲームであり、詰将棋の如く確かな知識を要求されじっくり考える思考型のターン制RPG。かたや音ゲーはリズムを体にしみこませ「曲にノる」音楽的センスとそれを実行するための反射神経が要求されるゲームだ。ハッキリ言ってジャンルが違うどころか相反している。これを破綻なく組み立てるなんて出来るのだろうか。
……結論から言おう。クリプトオブネクロダンサーはその二つを見事なまでに組み合わせた作品だと。それどころかローグライクゲームに全く新しい風を吹き込んだ傑作だと。

~美しいシステム~
先述した通り今作はローグライクと音ゲーをリミックスしたものである。そのシステムについて触れて行こう。
基本的にはローグライクのお約束を踏襲したものになっている。ダンジョンの形状は毎回変わり落ちているアイテムも違う。その場その場で「どうするか?」といった判断が求められるのはローグのエッセンスが詰まってるだろう。では最大の違いはどこか。それはターンシステムである。このゲームでは楽曲のリズムがターンに対応しており、音ゲーにおけるマーカーに合わせて行動する必要がある。複雑怪奇なリズムは無く基本的には一定であり音ゲーの中では「リズム天国」のような感じである。敵もリズミカルにそのリズムに合わせて行動している。このリズムに合わせて行動しながらダンジョンを攻略するのが基本的な流れである。
この「リズム=ターン」のシステムによって今作は全く新しいゲームとなった。思考型のゲームであることは間違いないが、従来の時間をかけて考えられる場面はほとんど存在せずむしろ瞬時の判断力がものをいうバランスへと変貌したのだ。リズムに乗って行動し敵のリズムを見切り敵のダメージを喰らわずに倒すのが最重要となる。ローグライクにおいて先制攻撃や牽制は基本動作であるが、今作は見た目こそ異端ながらその本質をこれでもかというほど強く意識した作品である。それが強く現れているのが主人公の体力や敵の火力。歩いても体力が回復しないこと、敵の火力がかなり高めに設定されていることもさることながら、主人公のライフはかなり低めに設定されており一撃もらうだけで致命傷になりかねない。そのため敵の特性をしっかりと体系化し、楽曲のリズムも覚えていく必要がある。そして、そうして積み重ねた知識によってダンジョンを攻略していく。それはまさしくローグライクの神髄である。異端ながら王道を行く、そんな言葉が似合う。
ゲームとしての難易度はかなり高い部類に含まれると思われる。まずその全く新しい感触に慣れなくてはいけないこともそうだがそれ以上に気を抜いたり判断を誤ると即死しかねないバランスであり、プレイにはある程度の緊張感が漂う。しかしそれを逆手にとったか、今作のダンジョンは他のゲームに比べてもかなり短めであり集中力が持続する時間でスパッとクリアできる範囲に収まっているのが特徴とも言えるだろう。基本となる4つのダンジョンは通常フロア3つボスフロア1つで構成されていて、これだけ見ると「む? 意外とボリューム少な目?」なんて思ってしまうが、1プレイにおける密度の高さが他のゲームをはるかに凌いでいることを考えれば全く気にならない。ここには音ゲー的な集中力のバランスのとり方が現れているだろう。死んでもすぐに再プレイしたくなることと、その際のテンポの良さは他のゲームの追随を許さない。また難易度こそ高いものの数々の救済措置が設けられているので何度も挑むうちにいつしかクリア出来るようなバランスが美しいと言えるだろう。今作にはダンジョン内での店で使える金貨以外に拠点で使えるダイヤなるものが存在しており、これを拾い集めて使うことで数々のアンロック要素を解放することが出来る。例を挙げれば「主人公のライフを上げる」「新たな強力武器の解放」「ダンジョンに道具持ち込み」等がある。これらのアンロックを解放しながら進めるのが基本的な流れであり、そうするうちに自然にクリアできるバランスに仕上がっているのが面白いところだ。また「だったらダイヤ集めておけばいいんだろういっひっひぬるゲー万歳!」なんてことにはならず、ダイヤは貯めることが出来ない(ダンジョンに挑む際に所持ダイヤが消滅する)ため歯ごたえのあるバランスが保たれているのもポイント高い。またローグライクが土台なだけあって最後にものを言うのがリアルラックというのもまた良く出来ているなーと思う次第である。
また今作を語る上で外せないのがその音楽面。ローグライクリズムアクションという複雑なジャンルかつローグライクとしては聴き飽きないものが求められ、音ゲーとしてはリズミカルでノリの良く更に短く締めるという非常に難しい楽曲作りが要求されたと思われる。しかしこの難しい命題をいとも簡単に成し遂げ、更には捨て曲が一つもない(!)なんていう驚愕ものの楽曲群を作り上げてしまってるのであるから驚きだ。作曲を務めたのは「Super Meat Boy」「The Binding of Isaac」の音楽を作ったDanny Baranowsky氏。リズミカルでありさらにはゲームデザインレベルデザイン面と極めて噛み合ったそれを作り上げたのはもはや感服するばかりである。また編曲にA_Rival氏とFamilyJules7xも加わっておりこちらも負けず劣らずの良曲となっている。
つまりこういうことだ。クリプトオブネクロダンサーは相反する二つのジャンルをただ単に融合させただけでなく、ゲームデザイン面レベルデザイン面音楽面を高次にまとめあげた作品だったのだ。これまでと全く違ったアプローチでここまでローグライクゲームの魅力を引き出したゲームは存在しない。全てが美しくまとまった今作はローグライクゲームとして間違いなく一級品である。今までになかったプレイ感覚を提供する、ローグライクの魂がここにある。

~悪魔よりも悪魔的ダンジョン~
おっかなびっくりの難易度を誇るクリプトオブネクロダンサーのメインダンジョンとなる4つのゾーンをはみ出し的に紹介! ついでにゲームモードについてもここで触れておくことにする。

”ダンジョン”
・ゾーン1
チュートリアルからいきなり送り出されるダンジョンにしては難易度が高め。厄介な動きをする敵こそ少ないものの、ゲームに慣れなきゃ死を避けることなど出来ない。ちなみに筆者は青スライムの対処が分かったけど理解することが出来ず無意味な死を繰り返した……。エリア3で流れる楽曲は今作屈指の名曲だと思うのだが、どうか?
・ゾーン2
自分と逆方向に同じ動きをするクローンや、鈍足ながら超火力のゴーレム、動かないが周囲にダメージを与える毒キノコなど個性あふれる面々によって構成される。難易度は順当に上昇しており「ゾーン1クリア出来たんだからこれもう楽勝っしょ!」なんていうプレイヤーの心をへし折るくらいには油断ならないゾーン。
・ゾーン3
マグマとアイスの二つで構成されるゾーン。マグマとアイスでリズムは同じながら曲のアレンジが違うという演出に惑わされると危険。また氷の床でリズムを崩してそのまま崩壊するパターン多し(実話)。スライムの摩訶不思議な規則性に動揺して攻撃をボコボコ喰らうこともしばしば(実話)。
・ゾーン4
カベをぶっ壊して進む迷宮的ダンジョン。難易度は言うまでもなく過去最高。決まった倒し方じゃないと倒せない剣士やカベに潜むクモ、死に際に爆弾を置くゴブリンや魔術を使って混乱させてくるリッチ、ダメージを与えると床にトラップを仕掛けるゴーレムやプレイヤーをワープさせてくるサルなど厄介な敵だらけで気分はまさに鰹節の死のダンスの如く踊り死にしかねない(何言ってるんだ

”ゲームモード”
・ノーマルモード
ゾーン1~ゾーン4のうちどれかを任意に選択して攻略するこのゲームの基本となるモード。
・デイリーチャレンジ
一日1回挑戦できるモード。
・オールゾーンモード
一度も死なずにゾーン1~ゾーン4をクリアし、スコアを競い合うモード。開始時のライフは3で固定され全てのアンロック要素が解放されている。
・オールゾーンモード(シード)
基本上と変わらないが開始前にシードを指定できる。そのため同じ構造のダンジョンに挑むことが可能。
・キャラクターセレクト
キャラクターを変更できる。ここから更に3つのモードを選択できる。
・ストーリーモード
このゲームの物語を追うモード。ケイデンス、メロディ、アリアの順にプレイをする。
・オールキャラモード
コーダ(後述)を除く9キャラで順番にプレイするモード。プレイ順番は任意。
・デスレスモード
死ぬまで周回プレイを続ける狂人向けのモード。
・マルチプレイ
アドホック通信を利用して協力プレイが可能。


~迷宮に挑む者たち~
個性豊かな操作キャラクターを軽く紹介しておこう。操作キャラが変われば難易度もプレイ感覚も変わるので「難易度が物足りないぜ!」なんていうハードコアゲーマーの諸君や「難しすぎて俺には無理…」なんていう俺みたいな人たちもキャラを変えれば見える世界が変わってくるぞ!

・ケイデンス
デフォルトのキャラクター。ストーリーが存在する。個性は無いもののそれゆえ何かに縛られたりせずに攻略することが可能。
・バード
リズムを無視して攻略することが可能。敵はプレイヤーが行動した後に行動する、言わば普通のローグライク風味のゲーム体験を味わえる。間接的に難易度が低くなるのでこのキャラでロケハンしておくのが初心者にはオススメ。最初から居てハゲているのが最も目立つ特徴だったりする悲しき中年。
・イーライ
爆弾を無限に使え設置した爆弾を蹴り飛ばすことの出来るボンバーマンみたいな男。攻撃武器を持ち込むと自害する。
・ドーヴ
敵にダメージを与えられない平和主義者。最初から階段が解放されており小ボスを倒す必要がない。ボスフロアは存在しない。ショップでは好きなアイテムを一つ無料で貰える。攻撃武器を持ち込んだり、ちんたらして曲が終わってしまうと自害する。
・モンク
金を拾うと自害する修行僧。敵の倒し方にまで気を配る必要がありその難易度は極めて高い。脳味噌を「モンク脳」にすることが重要かつ必要。ショップでは好きなアイテムを一つ無料で貰える。
・ドリアン
1マス飛ばしで移動する靴を強制で装備しているケイデンスの父親。初期装備は充実しているが1マス飛ばしの靴が極めて厄介で「コイツ使えねえ!」の罠にハマることもしばしば……
・メロディ
専用武器を持つケイデンスの母親。ストーリーが存在する。例によって武器を持ち込むと自害。専用武器自体はかなり強いものの(移動時に攻撃判定が行われるトリッキーな範囲武器)移動しなくてはならないというのが難点と言えば難点。囲まれると逃げ道無し。
・アリア
ケイデンスの祖母にして、武器がダガー固定、リズム外すとミス、曲が終わったら自害、武器を持ち込んだら自害、体力が僅か0.5でミスすると死亡というとんでもないマイナス能力を持つ超高難易度キャラ。ストーリーが存在するもクリア出来なかったのでどんな話かは筆者は不明。一応ポーションを持っているので実質2ミスで死亡するキャラだがそんなことは気にならないほどに難しくよく死ぬ。店のアイテムもなぜか2つしか出ない。
・ボルト
最速のあの男にあやかってかリズムが倍速。最初から槍を持っている。
・コーダ
アリア、ボルト、モンクの特性を併せ持つ鬼畜の所業のようなキャラ。アリアがクリア出来ていないので詳しいことは知らんが人間辞めないとクリアすることなど不可能な予感がプンプンする。もしかすると、こんなキャラを生み出したBrace Yourself Gamesこそがもっとも鬼畜だったのかもしれない……


~他の機種ってどうよ?~
オリジナル版から遅れて登場した日本版家庭用移植版。自分がプレイしたのはこっちなのでむしろ本家を知らない状態だが、それでも「これは傑作だ!」と思わせてくれるほどの作品だったように思える。PC版との細かい差異もあるのだろうが、手軽に遊ぶのならPS4/VITA版も十分にアリだ。
PS版に採用されている大きな違いは、発売元となったスパイク・チュンソフトのキャラのアバターでプレイできることだろう。シレンやモノクマなどがダンジョンをうろちょろする様は必見。また、ダンガンロンパとグルーヴコースター3の楽曲が収録されており気分を変えてプレイすることも可能。好きな音楽でプレイするのもまた一興だろう。逆に痛いのはカスタムサウンドトラックが無いこと。オリジナル版には普通に採用されているのがちょいと悲しいところだ。
コンシューマから少し遅れて出たiOS版であるが、むしろこれが完全形だったんじゃないの?とまで疑わしくなるほどの充実ぶり。iTunesを使ったカスタムサウンドトラックを実現させ、PS版に搭載されていた要素は全て据え置き。果ては値段まで安い(600円、ちなみにPS版はクロスバイで2機種買えるにしても1,800円+税とそれなりの値段)と大盤振る舞いである。
自分がVITA版を選択したのは「それしかハードを持ち合わせてなかった」ということもあるが「ボタンで操作したかった」、と言うのもある。しかし安価で大盤振る舞いのiOS版の存在を考えるとそんな熱心にPS版を推すか? という気分にもなってしまう。またオリジナル版の方が気になるという人もいるだろう。とどのつまり悩んでるなら「全部買え」と言うのが正しい選択なのかもしれない。あっでも快適にいつでもどこでもプレイしたいというならVITA版、結構おススメです。

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2016年09月15日

今月の一本 シルバニアファミリー おとぎの国のペンダント

早くも定番コーナーと化しているのか、それともテンパった駄文をとりあえず書いているだけなのか、というわけで当の本人も記憶があやふやな新企画「今月の一本」はまさかの2回目に突入。今回ご紹介するのは過去にもネタにした「シルバニアファミリー おとぎの国のペンダント」。よりによってこれかよ!と思わないでもないが、ここ以外で全くと言っていいほど取り上げられることがないのだから仕方がない。いまやエポック社と言っても「エポック社ってゲーム出してるんすか?」「ドラえもんの名作があるところか」「あーガントレットレジェンド出してたところだね!」「R-TYPEDXのとこだろ?」「ああ一時期ファルコムのゲーム出してたとこだよね!」「カセットビジョンのきこりの与作が泣ける」なんて意見しか聞かないぞ(後半偏りすぎ)。ここは一発エポック社の看板タイトルであるシルバニアを知ってもらいたいもんである。
…なんて言っても当の本人もあんまシルバニアファミリー知らねえんだけどな。ゲームでの知識しかないし。そもそもエポック社自体も名作ばっかり出してたメーカーってわけでも無く割と謎めいたゲーム出したりしてたからな。もしかしたら今作もそんな部類の作品かもしれん。うーむ。なんだか急激に不安になってきたがとにかく値段が安いから皆さんもプレイしなさい(命令)
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DATA
発売 / 開発 :エポック社 / M.T.O INC.、ロックス
登場時期 : 1999
ジャンル : RPGアドベンチャー(私的仮称)
機種 : GB/GBC


~エポック社看板タイトル来たる!~

RPGと言えば泣く子も黙る人気ジャンルであることは周知の事実。そんなRPGも数が膨大になるにつれてジャンルの細分化が進むようになりもはやその線引きはよく分からなくなってきた感じもある。ドラクエのようなオーソドックスなものからアクションRPG、オープンワールドRPG、ジュブナイルRPG、果てにはあたしのためのRPGなんてものすら登場した。
そんな大人気RPGであるが、中でも非常にニッチなジャンルとして「戦闘の無いRPG」なるものが存在している。moon、エンドネシア、チュウリップなどきわめて個性的なこの手のジャンルの作品を生み出したラブデリック及びそこから分家した会社が手がけたことにあやかり「ラブデ系RPG」なんて呼ばれ方をすることもある。戦闘の無いRPGとして名高いイーハトーヴォ物語もこのジャンルであり最も古い作品(だと思う)であり実は年季の入ったジャンルでもある。
ダラダラと長くなった。今回紹介する『シルバニアファミリー おとぎの国のペンダント』もそんな戦闘の無いRPGと言えるだろう。数々の名作と凡作を送り出してきたエポック社だが自社の看板タイトルでもあるからか、その気合の入り方は尋常なものではなく、それに応えるようゲームもしっかりと作られた万人向けの良作である。エポック社の魂がこのゲームには詰まってる! 過剰なシルバニア愛を感じ取れ!(シルバニアファミリーを紹介するテンションじゃねえよ

~ほのぼの村生活~

今作は戦闘の無いRPGだがじゃあ何するのよって話になるのは至極当然。具体的には困っている人の悩みを解決したり元気のない花をイキイキさせていくことで経験値がたまりレベルアップするという構造になっている。前者はともかく後者は納得し辛いと思うが、ようせいさんの力でその辺は上手いことやっているのだろう。レベルを上げていくことで主人公であるアイボリーのウサギちゃんの行動時間が伸びていく。初めは家と学校の往復だけで一日一日が終了していく淡々とした悲しい生活だが次第に村の人々との交流も出来るようになっていく。果てには洞窟を散策したり気ままに釣りをしたりとのんびりとしたスローライフ生活を送ることが可能。アグレッシブに行動すればするほどその生活もどんどん身のあるものになっていくだろう。世の中やっぱり活動的な方が便利だぜ。
活動の拠点となるシルバニア村はほのぼのとした空気に包まれている。元の原作自体が幼女を対象にしているからか、殺伐とした空気や黒い一面なんかは皆無で常にまったりとした雰囲気である。しかし特徴的なのがそのマップ構造。今作、実はかなり迷いやすく作られている。元気のない花を発見してもそこへ辿りつくのに複雑に配置されたブロック地帯を抜けたりするのに悪戦苦闘。更にはそこに行動時間制限もかかってくる。行動可能時間が無くなる前までに家に帰らないとマズイ!ってことで以外とそのプレイ感触はハラハラドキドキ。しかしこうした心地よい緊張感が伴うプレイとなるので生温いだけでなく適度なバランスだとも言える。特に行動時間が伸びてシルバニア村を探索できる範囲が広がるバランスはこの手の作品の中でも最高峰のバランスだと感じる。惜しいのはこのバランスが対象層の幼女向けでは無かったということか……(結構難しい)。難しいと言えば今作、ミニゲームもあるのだがそれもかなり難しい。特に橋渡りのミニゲーム(リズムゲーム)の難易度は常軌を逸しており筆者は一度たりともクリアすることが出来なかった。しかしミニゲームは基本出来なくてもゲームクリア条件とは関係が無く、やり込みに収まっているのも優しいところ。ミニゲームクリアで経験値がたまるが、それを除いても普通にクリア可能なバランスとなっている。この辺の配慮は流石とも言うべきか。優しい作りである。
今作は一応キャラゲーに分類されるが、筆者がシルバニアファミリーを全く知らぬトンチキ野郎で「メトロイドヴァニアにあやかってシルヴァニアとか出ねーかなー」なんてほざいているどうしようもない人物なのでその作り込みがどの程度のものなのかはあやふやなのだが、非常に丁寧に作られている印象を受ける。それを感じるのがワールドマップ。なんと原作のシルバニア村をほぼ再現しているのだ! と言ってもホントか分からないんだが(意味ねえな)、公式マップなんかと見比べてみてもあるべきところにあるべき施設が配置されている。物量的には続編の2にやや劣るものの抑えるべきところは抑えており、何よりそれがゲームとして破綻せず落とし込まれている。このようなところまで配慮されたキャラゲーはあまり多くなく、開発陣のシルバニアファミリーへの愛を感じるところだ。
また、今作には単にクリアするだけでなくやり込み要素もかなり充実している。花育てや村人との交流での写真撮影、家具の模様替えなど様々なやり込み要素が存在し、極めようと思えばかなり長いこと楽しめるタイトルになっている。本編とはそこまで関係が無いが、スローライフ生活を彩る清涼剤のような働きをしてくれるのも確か。家具の模様替えなんかは原作自体がそういうもん(だと思う。やったことないから分からんが)だからか、かなり凝っており自室を自分流に染め上げるのもポイント高い。ほのぼのとシルバニア村で過ごせるギミックがそこかしこと仕込まれた、良くできたRPGである。

~実はバカゲーかも~

……とここまでは良くできたRPGアドベンチャーだと言うことしか述べてこなかったが、そんなもんじゃこのゲームの深淵を語ったことにはなりませんぜ旦那。なにせ今作には底知れぬ狂気が混在しているのだから。てめえさっきは暗黒面なんて無いなんて都合のいいこと言ってたじゃねえかとお怒りになる方もいると思うが、舞台となるシルバニア村は本当に優しさに包まれたホンワカまったりとして良い場所で狂気は存在しない。それが存在するのは「おとぎの国」である。
遅まきながら今作のストーリーについて語ろう。事の発端は主人公であるアイボリーのウサギちゃんがおとぎの国のようせいさんが怪我しているのを助けてあげるところから始まる。ようせいさんはお礼を言っておとぎの国へ帰ってしまうが、その時ペンダントを忘れて行ってしまう。困ってしまったアイボリーのウサギちゃんはペンダントを持ち帰り、寝床へ着くと夢の中に先のようせいさんが現れる。「あのペンダントは必要なものなんだ! だから返して! ついでにそのペンダントに5時までに家に帰って寝ないとその日の出来事が夢になる魔法がかかっているから気を付けてね!(意訳)」。かくしてペンダントを返すアイボリーのウサギちゃんの冒険が始まる……ってちょっと待てーッ! こんなのただの強迫じゃねえかーッ! しかもこちとらおとぎの国の場所も教えてもらってねーぞ!幼き乙女のアイボリーのウサギちゃんにその日の出来事を夢にするなんて衝撃的な呪いがかかってるとは、もはや血も涙もないようせいさんたちである。ゲームが進行するにつれてようせいさんの暴走もエスカレートしていく。部屋の模様替えの家具はようせいさんから買うことが出来るのだが、これが毎日のように夢に押しかけ家具の押し売りを始めてしまう始末。毎日毎日同じ内容の夢を見させられる破目になるとは……。もはや悪夢のような事態にも思えてくる。
そして驚愕のエンディングが待ち受ける。紆余曲折ありようやくおとぎの国へ辿りついたアイボリーのウサギちゃん。いよいよペンダントをようせいさんに返す時が来た……と思いきやここでようせいさんから一言。「これは、ぼくたちからの最後のプレゼントだよ!」と言って逆にペンダントをプレゼントされてしまう。今までの冒険はなんやったんやーッ!! ペンダントの呪いが解けたような描写は無くおそらくはそのまんま。これがおとぎだと言うのか。これは果たしてメルヘンと言えるのか。メルヘンと言うよりもメンヘル、シルバニアと言うよりもヘルニアと言った方が適切ではないのか。そんなことすら考えてしまう衝撃の展開が待ち受ける。

しかしこんな具合に狂気が垣間見えるもののゲーム自体は至極ほのぼのとした空気に包まれやりごたえのあるRPGとして成り立っている。上のぶっ飛んだ物語もある意味バカゲー的に楽しむことも出来るだろう。一ゲームとして、一RPGとして非常に優秀な作品であることは間違いない。悲しいくらいにマイナーな今作だが中古ショップ等で見かけた時はぜひとも手に取ってほしい。ついでに続編であり今作の正当進化でアッパー版とも言える2やナツメ開発と噂の森の仲間と踊りましょも見かけたら保護に走っていただければこちらとしても幸いである(何が?

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2016年08月22日

今月の一本 flOw

今の自分に足りないのは情熱なんじゃないかそうだよ熱意を失っては無気力極まりない現状を打破するには情熱溢れる制作物に触れなくてはいけないんだそうだ情熱だパッパッパパパパッショーン!!なんて錯乱してる感じに過ごす一日。そんなわけで不定期開催新企画と題して本日遊んだ「flOw」なんてのをご紹介。この作品は、なんとあのthatgamecompanyが作り出したのだッ!なんて言って反応してくれる人がどれだけいるか極めて不安だが……。有名どころだと、風ノ旅ビトを作ったところッス。しかしかれこれもう10年近く前の作品なのか……(Flashゲーとして登場したのが2006年、PSNゲーとして登場したのが翌年らしい)
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DATA
発売 / 開発 : ソニー(SIE) / thatgamecompany
登場時期 : 2006年(Flash)/2007年(PS3)/2008年(PSP)/2014(PS4、PSVITA)
ジャンル : Zen
機種 : Flash/PS3/PSP/PS4/PSVITA
公式:http://www.jp.playstation.com/software/title/jp9000cusa00178_00flowplaystation4.html

(今回はVita版をプレイ)

今作は風ノ旅ビトにて爆発的な知名度を獲得した(と思う)thatgamecompany謹製の作品で同社の2作品目に当たり、更には初コンシューマ進出でもある。thatgamecompany特有の空気感は今作の時点で存在しており同社のルーツともなってるような作品である。
そんな「flOw」だが、どんな作品かってのは実は結構説明するのが難しい。なにせ流れに身を任せ漂うゲームとしか説明のしようがないのである。LSD並、とまではいかないが極めてゲームゲームしてない作品であり「ホントにこれゲームって呼んでもいいのか?」とプレイ開始した直後は思い悩み頭を抱えることになるだろう。しかしものの15分もすれば「thatgamecompany、やはりお前らは天才だ」と涙を流し感動することになるだろう(ホントかよ

ゲーム内容は至って単純。海の中をジャイロ操作でゆらゆらと漂うだけである。思うがままに漂え。以上。……で終わっちゃうとあまりにも身も蓋もないよなあ。一応クリーチャーを操作してプランクトンや他のクリーチャーを捕食しどんどん自クリーチャーを大きくしていくということや、どんどん海の底を目指し深く潜っていくっていう目的もあるが、ただそれだけ。感動するシナリオも圧倒的な敵キャラなんてものも無くハッキリ言って雰囲気が優れただけの地味で単調なゲームかもしれない。操作性もジャイロのせいでかなり悪い上にスティック操作も使えないとかなり厳しいゲームだ。
しかし何も考えずプランクトンを捕食し、深みへと潜っていくうちに、いつしか「flOw」の深みへとハマっていくことになるだろう。美しく幻想的な海の世界と優れた環境音楽のような音楽と、無機質だが暖かみのある効果音とが重なり合った世界はもはや総合芸術としか言いようがない世界。映像と音のシンクロという意味では今作に匹敵する作品も中々見ることが出来ないであろう。まさしく「ゲームでしか出来ない体験」に特化した作りである。そしてその体験こそが今作を語る上で欠かせないものになる。ゲームとしては捕食をひたすら繰り返し深海へと潜り続けるだけなのだが、そこには幾千のドラマが生まれている。一つのクリーチャーで海の底へとたどり着き冒険が終わった時、プレイヤーの心には「旅をした」というような気分にさせてくれる。この旅をしているような気にさせるゲーム作りはthatgamecompanyの十八番とも言えるものであり、これが後の「Flowery」「風ノ旅ビト」へとつながっているということを思わせる。

ところで今作の公式ジャンルは「Zen」である。Zenとは何ぞや?それは「禅」である……たぶん。一応禅パックなる謎の物がPSNにあったような記憶があるし……
それはともかく禅がテーマの今作だがぶっちゃけた話自分は禅なんぞは分からん。だがその空気感は非常に強く伝わってくるだろう。禅なんて知らない男が「flOwを遊んでいると諸行無常を感じさせる」なんてことを思う次第である。それほどに今作には何かを感じさせる力が強い。プレイ序盤は「オラオラー!それは俺のエサだてめーらどきやがれーッ!!」なんてつぶやき本体をブンブンと振り回していたが、次第に「もういい……もういいんだ……」などとつぶやき無の境地に至りながら捕食にいそしんでいる始末。プランクトンを食すのにも、クリーチャーを食すのにも次第に影を落とすようになる。巨大な自クリーチャーに手も足も出ず食べられていくプランクトンたち、無機質な音を立てて崩れていくクリーチャー、そうした生き物の命を奪い成長していく自クリーチャー。幾千もの命のやり取りがあり多くの生き物を殺して更に深海へと潜っていく。そりゃあ自クリーチャーがどんどんと大きくなっていって成長の過程を眺めるのは楽しい。しかしそのために死んでいったものも数知れず……なんてことを思いながら海の中を漂ううちに、いつしか頭の中の思考もゆらゆらと流れ漂っていく。生きるとは何か?なんて哲学的なことすら考え出す始末……なんてことを書いちゃうと流石に言い過ぎだがそれでも数多くのことを考えさせることは確かである。深海に潜っていくうちに、プレイヤーのアビス(深淵)にも潜っていくなんてテーマだけでこのレベルの作品を作りあげてしまうthatgamecompanyはやはり只者ではない。
といってもあくまでこれは自分が感じた印象でありプレイヤーごとにそれぞれ思うことは違うであろう。なんならプランクトンを避けながら深海へと潜ることも可能である。また自分のように数々のクリーチャーまでも捕食にいそしむことも可能。そういった意味で思うがままに漂うゲームである。どんなプレイをしてもプレイヤーに何かを残してくれる。それが「flOw」である。総プレイ時間がかなり短くなる作品ではあるが、それでも買う価値のある作品である。風ノ旅ビトしか知らない、なんて人は是非とも今作やFloweryもプレイをしてほしいところ。ゲームでしか体験できないことがここにある。誰にもまねできないゲームを作り上げることのできるthatgamecompanyはやはり凄腕開発会社だと強く感じた。

posted by グレイ at 20:24| Comment(0) | 今月の一本 | 更新情報をチェックする